「ChatGPT（チャットＧＰＴ）」のような対話型人工知能（ＡＩ）サービスの開発を世界中のＩＴ企業が急いでおり、その主な素材となるデータの需要が突如、かつてないほど高まっている。
シャー氏は、フィデリティが所有しているような独自データを使えば、ＡＩサービスを競合相手に対して際立たせることができると話す。29年前に入社した同氏は、大手金融サービス企業として初の自社ウェブサイト構築を統括した。現在は、自社データの有効活用策の一環として、クラウドに基づく全社的なデータウェアハウス創設を指揮している。
「差別化は、ファーストパーティーデータを公開データと組み合わせ、金融サービス向けにバーティカルな大規模言語モデル（ＬＬＭ）を構築することによって可能だろう」とし、「科学研究や医療業界ではバーティカルなＬＬＭが既に登場している」と話した。 ＬＬＭの価値は学習に投入されたデータの量と質に大きく左右される。シャー氏によれば、フィデリティのデータは魅力的とみなされ、協業と引き換えに無償での同社向けＡＩシステム構築を提案してくる企業もある。 フィデリティはデータの活用方法の決定に際し、信頼性や偏り、個人を特定できる情報の扱い方などＡＩシステムの課題を考慮する必要があるとシャー氏は語る。同社はその間に、セキュリティー関連のインフラ強化策を講じ、データアクセス制限の厳格化を進めているという。
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