女子３０００メートルで高木美帆（ＴＯＫＩＯインカラミ）が４分６秒０６で２年ぶり７度目の優勝を果たした。２５日の１５００メートルと２冠。前回優勝の堀川桃香（富士急）を１秒６１上回った。
高木は優勝を素直に喜んだ。前回大会は出場を見送った３０００メートル。１８００メートル通過まで３１秒台のラップタイムを刻んだ。ラスト２周は３３秒１４、３４秒７９と大きくタイムを落としたものの「５周までは自分でも手応えを感じるレースだった。３０００メートルでもタイトルを取ることができたのはすごくうれしい」と笑顔を見せた。
世界のトップで戦うことに基準を置いた時、長距離種目に対しては苦手意識を抱いていた。３０００メートルも昨季までは「何となく滑っていることが多かった」と振り返った。だが、今大会は「チャレンジャーとして攻めていこう」と決意。意識が大きく変わった背景には、９歳下の堀川の存在があった。 堀川は昨季は大会記録を更新するなど、成長著しい２１歳。日本女子のトップ選手では近年珍しい長距離型で「堀川選手がだいぶ力をつけてきていて、今までのようにはいかないなと感じた。戦いたいなというような気持ちが出てきた。挑める選手がいるというのは私の中でモチベーションになる」。この種目への闘志が再燃し、２年ぶりのタイトルをつかんだ。
この日、開幕した米大リーグのワールドシリーズを戦うドジャース・大谷翔平投手は同学年。３０歳の高木は「すごいですよね。大谷選手に限らずですけど、世界でずっと戦っている人たちを見ると、自分が少し弱気になった時にも『いや、まだいける』と思えたりする。いつも勝手に刺激を受け取っている」と明かした。同世代の現役アスリートも少なくなってきているが、「年齢は戦いの中では関係ない。まだ頑張ります」と力を込めた。
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