カカクコムが運営するグルメサイト「食べログ」の評価を巡る損害賠償請求訴訟で、東京高等裁判所が1月、損害賠償を求める焼き肉・韓国料理チェーン店運営会社の訴えを棄却した。2022年6月の東京地裁の判決では独占禁止法の「優越的地位の乱用」を認め、食べログを運営するカカクコムに3840万円の支払いを命じていたが、同社が逆転勝訴したことになる。食べログは、消費者が味や店の雰囲気などについて投稿した口コミ
が運営するグルメサイト「食べログ」の評価を巡る損害賠償請求訴訟で、東京高等裁判所が1月、損害賠償を求める焼き肉・韓国料理チェーン店運営会社の訴えを棄却した。2022年6月の東京地裁の判決では独占禁止法の「優越的地位の乱用」を認め、食べログを運営するカカクコムに3840万円の支払いを命じていたが、同社が逆転勝訴したことになる。
食べログは、消費者が味や店の雰囲気などについて投稿した口コミを基にし、飲食店の評価点を算出して掲載することで、「目的に合った『おいしいお店』」を見つけられるサービスだ。有名チェーンのような知名度がなかったり、路地裏など立地が悪かったりする飲食店でも、集客に活用できるとして飲食業界で大きく広がった。訴状などによると、食べログは19年5月、サイトに掲載している飲食店の点数を算出するアルゴリズムの内容を変更した。その影響で、韓流村が運営する21店舗の評価点(5点満点)は平均約0.2点、最大0.45点下がったという。韓流村の任和彬社長は「例えば、KollaBo銀座店は3.5点以上から3.3点以下になった。それまでは月400〜500件あった予約が80件程度に落ち込んだ」としている。
裁判で韓流村は、「チェーン店の点数を下方修正するようなアルゴリズムの変更は、飲食店の公平な競争を阻害する...
結果、食べログは「優越的な地位を利用して(韓流村に)不利益な取引を実施」したが、商慣習に照らして不当だとは言えず、「公正な競争を阻害するおそれがある」 とは認めなかった。点数の下落による損害についても、利益が侵害されたとまでは認められなかった。 高裁の判決を受けてカカクコムは、「食べログにおけるアルゴリズム変更に違法性がないと確認され、当社の主張が正当だと認められた。今後も『ユーザー本位』の立場から公平中立なサービスの提供に取り組んでいく」とコメントを発表した。
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