優勝11回を誇る名門・順大は、史上最小1秒差の10位で10月の予選会を辛くも突破し、第101回箱根駅伝(来年1月2、3日)への切符を手にした。前回、1年生ながら4区区間8位と好走した吉岡大翔(2年)
は今季不振にあえぐも、箱根を前についに脱却。5000メートル高校記録保持者の輝かしい栄光を一度“封印”し、原点回帰の「楽しむ心」で復活への兆しをつかんだ。「与えられた区間」で、チームを目標の総合5位へとけん引する。
「スーパー高校生」の鳴り物入りで順大に入学してから1年、吉岡は苦しんでいた。2年生になった今春のトラックシーズン、全く結果が出なかった。5月の関東インカレの1万メートルでは、1年生の玉目がチームトップの8位でゴールした瞬間、自身は周回遅れの25位。5000メートルでは高校記録を出した過去と比較しては「走れていたのに…」。ネガティブ思考が先行。「すごく走るのがつらくて、やめたいなと思うことばっかりだった」と負のループに陥った。 長いトンネルから抜け出す転機が訪れたのは8月だ。母校・佐久長聖を始め、高校生が集結した長野・菅平高原での夏合宿に飛び入り参加。恩師の高見沢勝先生(43)や、他校のコーチから「走っている姿が楽しくなさそう」と言われた。今の自分に欠けていた大事な気持ち。それに気づいた。陸上を心から楽しむ気持ちを思い出し、復調のきっかけをつかんだ。
練習での取り組みにも変化が出た。「ラスト1キロは正直、自分の中では誰よりも負けずに上げられている感覚がある」。トレーニング中は常に本番のレースを意識。自分の新たな強みは「ラストスパート」と胸を張る。うまくいかない時に「自分はいくら練習しても記録が出ない」とマイナスだった考え方も「良かった部分を少しでも見つけられるようになった」と上向きになった。1万メートルは1年時に初めて挑んで28分46秒96。今年5月の関東インカレでさらに29分23秒19と落ちたが、11月の日体大記録会で、28分26秒75をマークし、1年時の記録を約20秒更新。順大入学後では、自身の全種目を通じて初めて高校時代の自己ベストを上回った。
今回の箱根では重要区間を担う可能性が高い。希望はなく「駅伝に関しては区間にこだわらない。与えられた区間で自分の走りをする。1チームでも多く抜かす」と頼もしい。個人的な目標に「区間賞」を掲げ「自分自身は高校の頃より全然強いと思っている。最低限の走りじゃなく、最高のパフォーマンスを発揮したい」。2年ぶりのシード権奪回、総合5位達成のため、復活を遂げた若きエース候補が力強く駆け抜けていく。(小林...
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