今夏、化粧品の開発・販売の枠を越え、同社初の美容家電となる高保水ドライヤー『MASTER MOIST(マスターモイスト)』を発売したBCLカンパニー。『サボリーノ』や『乾燥さん』といったヒット商品によって売上を伸ばす中、現状に満足することなく、2024年にはサプリメント、今年は美容家電と、新たなカテゴリー開拓に果敢に取り組んでいる。「これまでたくさんの失敗をしてきました」と微笑むカンパニーエグゼクティブプレジデントの大村和重氏に、新規事業に挑む心構えと失敗を次への糧にする方法を聞いた。
起業するも2年で頓挫…美容業界の“突破者”BCL社長が語る、明日に繋がる「良い負け方」の定義今夏、化粧品の開発・販売の枠を越え、同社初の美容家電となる高保水ドライヤー『MASTER MOIST(マスターモイスト)』を発売したBCLカンパニー。『サボリーノ』や『乾燥さん』といったヒット商品によって売上を伸ばす中、現状に満足することなく、2024年にはサプリメント、今年は美容家電と、新たなカテゴリー開拓に果敢に取り組んでいる。「これまでたくさんの失敗をしてきました」と微笑むカンパニーエグゼクティブプレジデントの大村和重氏に、新規事業に挑む心構えと失敗を次への糧にする方法を聞いた。大村氏がキャリアをスタートさせたのは、大学卒業後に入社した化粧品メーカーだった。10年間経験を積んだ後、独立。しかし、自ら立ち上げた化粧品会社は上手くいかず、2年間で閉鎖。その後、やはり「化粧品の企画を手掛けたい」という思いから、2007年にBCLカンパニーの前身となるソニーB&Cラボラトリーズに入社した。当時は、リーマンショック直後で多くの企業が業績悪化、採用を控えていた時期でもあった。それから14年、営業、宣伝、マーケティングを経て、コロナ禍の2021年にカンパニーエグゼクティブプレジデントに任命された。当時は、『サボリーノ』というヒット商品が生まれ、“朝マスク”が消費者の生活に定着し始めていたことから、コロナ禍に懸念された売上の落ち込みは少なく、ブランドの認知度も高まっている状態でした。一方で、社内では1979年にソニー・クリエティブプロダクツの一事業部として事業を開始した当初からの風土が残っており、マネジメントスタイルを含め仕事の進め方が昔のまま凝り固まっていて、社内の循環が鈍化しているという印象がありました。ですので、社長に就任した際は『今はいろいろと変えられるチャンスだ』と受け止め、若手にどんどん経験や権限を与えて、社内を活性化したいと思っていました。 ――就任されて以降、発売以来10年間ほとんど変化していなかった『サボリーノ』を刷新し、リニューアル前後で売上50%増を達成。同24年には『オヤスミタンパク』などサプリメント市場にも参入を果たすなど、新たな取り組みに挑まれてきました。経歴を見ると、事業の失敗や、リーマンショック直後の転職、コロナ禍でのカンパニーエグゼクティブプレジデント就任と、大変な時代を過ごされていますが、それらの経験が決断や行動に活きている部分はあるのでしょうか?あると思います。新卒で入社した化粧品メーカーでは、九州担当の営業としてドラッグストアの開拓などを行ってきたのですが、当時、とても良い成績を上げることができたんです。自分の能力を過信して、調子に乗って会社を立ち上げたのですが、いざ独立してみたらできないことだらけで、朝7時に会社に行って深夜2時くらいまで働いて休みはほぼゼロ。やがて本当に追い込まれて危機的な状況を経験しました。ただ、あの2年間があったからこそ、今があると思っています。やり直せるという自信が生まれましたし、失敗を明日に繋げる糧にすればいいと学びました。 ――新たな挑戦では、今夏に高保水ドライヤー『MASTER MOIST』で初の美容家電ジャンルへ参入されました。『サボリーノ』や『乾燥さん』がヒットし、『乾燥さん』においては昨年度は前年比3倍の売上を記録するなど好調な中、なぜ新規事業に挑まれようと思ったのでしょうか?手をかければ、『サボリーノ』も『乾燥さん』もまだまだ伸びるブランドです。ただ、その波に乗ることだけを考えていたのでは、会社としては成長できません。現在、海外展開にも積極的に注力していますが、化粧品だけでは世界市場でなかなか大きく売り上げを伸ばすことができませんでした。グローバル企業として成長するためには、ビューティー全般を総合的に強化する必要があり、失敗を恐れずにチャレンジする企業風土を築きたいという思いもあって、会社の未来を自分ごととして捉えてもらえるよう全社員を対象に新規事業募集を行いました。そのアイデアをもとに、様々な試行錯誤を重ねた上で生まれたのが『MASTER MOIST』です。.
起業するも2年で頓挫…美容業界の“突破者”BCL社長が語る、明日に繋がる「良い負け方」の定義今夏、化粧品の開発・販売の枠を越え、同社初の美容家電となる高保水ドライヤー『MASTER MOIST(マスターモイスト)』を発売したBCLカンパニー。『サボリーノ』や『乾燥さん』といったヒット商品によって売上を伸ばす中、現状に満足することなく、2024年にはサプリメント、今年は美容家電と、新たなカテゴリー開拓に果敢に取り組んでいる。「これまでたくさんの失敗をしてきました」と微笑むカンパニーエグゼクティブプレジデントの大村和重氏に、新規事業に挑む心構えと失敗を次への糧にする方法を聞いた。大村氏がキャリアをスタートさせたのは、大学卒業後に入社した化粧品メーカーだった。10年間経験を積んだ後、独立。しかし、自ら立ち上げた化粧品会社は上手くいかず、2年間で閉鎖。その後、やはり「化粧品の企画を手掛けたい」という思いから、2007年にBCLカンパニーの前身となるソニーB&Cラボラトリーズに入社した。当時は、リーマンショック直後で多くの企業が業績悪化、採用を控えていた時期でもあった。それから14年、営業、宣伝、マーケティングを経て、コロナ禍の2021年にカンパニーエグゼクティブプレジデントに任命された。当時は、『サボリーノ』というヒット商品が生まれ、“朝マスク”が消費者の生活に定着し始めていたことから、コロナ禍に懸念された売上の落ち込みは少なく、ブランドの認知度も高まっている状態でした。一方で、社内では1979年にソニー・クリエティブプロダクツの一事業部として事業を開始した当初からの風土が残っており、マネジメントスタイルを含め仕事の進め方が昔のまま凝り固まっていて、社内の循環が鈍化しているという印象がありました。ですので、社長に就任した際は『今はいろいろと変えられるチャンスだ』と受け止め、若手にどんどん経験や権限を与えて、社内を活性化したいと思っていました。 ――就任されて以降、発売以来10年間ほとんど変化していなかった『サボリーノ』を刷新し、リニューアル前後で売上50%増を達成。同24年には『オヤスミタンパク』などサプリメント市場にも参入を果たすなど、新たな取り組みに挑まれてきました。経歴を見ると、事業の失敗や、リーマンショック直後の転職、コロナ禍でのカンパニーエグゼクティブプレジデント就任と、大変な時代を過ごされていますが、それらの経験が決断や行動に活きている部分はあるのでしょうか?あると思います。新卒で入社した化粧品メーカーでは、九州担当の営業としてドラッグストアの開拓などを行ってきたのですが、当時、とても良い成績を上げることができたんです。自分の能力を過信して、調子に乗って会社を立ち上げたのですが、いざ独立してみたらできないことだらけで、朝7時に会社に行って深夜2時くらいまで働いて休みはほぼゼロ。やがて本当に追い込まれて危機的な状況を経験しました。ただ、あの2年間があったからこそ、今があると思っています。やり直せるという自信が生まれましたし、失敗を明日に繋げる糧にすればいいと学びました。 ――新たな挑戦では、今夏に高保水ドライヤー『MASTER MOIST』で初の美容家電ジャンルへ参入されました。『サボリーノ』や『乾燥さん』がヒットし、『乾燥さん』においては昨年度は前年比3倍の売上を記録するなど好調な中、なぜ新規事業に挑まれようと思ったのでしょうか?手をかければ、『サボリーノ』も『乾燥さん』もまだまだ伸びるブランドです。ただ、その波に乗ることだけを考えていたのでは、会社としては成長できません。現在、海外展開にも積極的に注力していますが、化粧品だけでは世界市場でなかなか大きく売り上げを伸ばすことができませんでした。グローバル企業として成長するためには、ビューティー全般を総合的に強化する必要があり、失敗を恐れずにチャレンジする企業風土を築きたいという思いもあって、会社の未来を自分ごととして捉えてもらえるよう全社員を対象に新規事業募集を行いました。そのアイデアをもとに、様々な試行錯誤を重ねた上で生まれたのが『MASTER MOIST』です。
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