ヴィレヴァンが2024年5月期決算で赤字転落を発表すると、「ヴィレヴァン経営の失敗?」といった記事が散見されるようになった。「独自性が失われた」「店づくりができる人材が減ってしまった」といった論調が中心だが、果たして問題はそれだけなのだろうか?
全国各地に300店以上を展開する「遊べる本屋」ことヴィレッジヴァンガード(以下、ヴィレヴァン)が2024年5月期決算で赤字転落を発表すると、「ヴィレヴァン経営の失敗?」といった記事が散見されるようになった。「ショッピングモールに出店したことで、ヴィレヴァンの独自性が失われた」「ヴィレヴァンらしい店づくりができる人材が減ってしまった」といった論調が中心だが、果たして問題はそれだけなのだろうか?サブカルの担い手として知られるヴィレヴァンのビジネスモデルを簡単に説明すると、サブカル関連の雑貨をそろえた異空間のような売り場を構成し、雑貨を衝動買いしてもらいつつ、その世界観の軸となっている書籍を手に取ってもらう手法の書店である。赤字転落が取り沙汰される前から、ヴィレヴァンの業績は右肩下がり、収益は低空飛行の状態が長く続いていた。一方で、厳しさを増す書店業界で「なんとか健闘していた」ともいえる。ヴィレヴァンの現状を、データで分析してみよう。図表1は、ヴィレヴァンの2002年以降の売上高と経常利益の推移だ。2014年までは順調に増収増益で推移していることが分かる。この時期、全国のショッピングセンター
コロナ禍以降は不採算店整理を上回る売り上げの落ち込みがあり、店舗閉鎖による収益改善も追い付かなくなった(図表2)。コロナ禍が実質的に終息した2023年は売り上げの回復が期待されたが、結果としてさらに減収が進み、10億円弱の経常赤字を計上するに至った。
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