9月の自民党総裁選を巡り、同党の茂木敏充幹事長の動向が注目されている。茂木氏は総裁の座に意欲を示しているが、幹事長は岸田文雄首相(党総裁)を支える立場。首相に…
9月の自民党総裁選を巡り、同党の茂木敏充幹事長の動向が注目されている。茂木氏は総裁の座に意欲を示しているが、幹事長は岸田文雄首相(党総裁)を支える立場。首相に対抗する形で出馬し、裏切り者と批判される事態を懸念している。「夏の間によく考えたい」と語り、首相の進退を見極めた上で、9月上旬までに出馬するかどうかを決断する構えだ。「この国を変えていかなくてはいけない。そういった仕事は、いずれチャレンジしてみたい」。22日のBS日テレ番組では、改めて総裁選出馬への意欲を語った。一方で「(総裁選に)最初に手を挙げることは絶対ない」と強調し、首相の進退が明らかになるのを待つ考えを示した。
茂木氏は外相や党の政調会長、選対委員長などの要職を歴任し、実務能力の高さに定評がある。経済再生担当相時代に臨んだ日米貿易協定の交渉では、当時のトランプ米大統領から「タフネゴシエーター(手ごわい交渉相手)」と評された。トランプ氏が大統領に返り咲く可能性がある中、このエピソードを好んで披露している。周辺は「米大統領選の行方も考えると茂木氏が最も適任ではないか」と持ち上げる。ただし課題は多い。 まず知名度不足だ。7月の産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査で、「次の総裁にふさわしい人物」に茂木氏を選んだ人は0・9%にとどまった。派閥パーティー収入不記載事件による逆風を受け、党内では「選挙の顔」となれる知名度の高い次期総裁を望む声が強い。
幹事長としての働きぶりに対する批判もある。不記載事件を受けた議員処分や政治資金規正法改正では指導力を発揮せず、首相が矢面に立って批判を浴びた。石破茂元幹事長は17日のインターネット番組で「党務を仕切るのは幹事長だ。総理・総裁に責任が及ばないよう火の粉を浴びるのが仕事だと私は教わってきた」と茂木氏に苦言を呈した。石原氏を「平成の明智光秀」と呼んだのは麻生太郎副総裁だ。茂木氏は総裁選に出た場合、良好な関係にある麻生氏の支援を期待するが、首相が出馬すれば目算が狂う。茂木氏周辺によると、首相が再選を目指す場合は出馬を見送る考えを示唆しているという。 6月以降、茂木派の複数の中堅・若手から首相退陣論や首相批判が相次いだ。発言した本人たちは否定しているものの、党内には、首相を不出馬に追い込みたい茂木氏が発言を促したと見る向きもあった。当の茂木氏は冷静な様子で、周辺にこう漏らした。「明智光秀にはならない。焦ってはいない。これは本心だ。ちゃんと逆算して進めている」(永井大輔)
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