Gartnerのリスク管理戦略の専門家が、サイバー脅威から組織を保護するのに役立つ3つの脅威モデリング手法とその使いどころ、使う際の心構えを解説した。
STRIDEとLINDDUNの方法論は、データフロー図によってシステムをモデル化し、脅威がシステムに影響を与える可能性のある箇所を特定し、それらの脅威の軽減のために、どこに対策を講じるべきかを決定することによって成り立つ。 セキュリティ におけるデシジョンツリーは、攻撃者中心の脅威モデリング手法であり、ツリーの構造を使って攻撃がどのように展開するかをモデル化する。攻撃シナリオは、攻撃の各段階で攻撃者が取り得る行動と、攻撃者に対抗するためにシステムができることをモデル化する。組織はリスク評価プロセスの特定のタイミングでこれらのフレームワークを使用し、脅威について広範かつ一貫した理解を得るべきである。これらのポイントは、初期システム設計やレガシーシステムのレビュー、戦略的なITやビジネスの変更など、システム進化のさまざまなフェーズに合わせるべきだ。
これらのフレームワークは、単独で使用することも、相互に補完する分析として使用することも可能だ。このプロセスは、「MITRE ATT&CK」やLockheed Martinの「Cyber Kill Chain」といったフレームワークによって定義された攻撃者の戦術や技術を取り入れることでさらに強化できる。しかし、脅威を意識した考え方を組織に浸透させるには、多様なテクニックが必要となる。そのうちの幾つかは非日常的な手法であり、以下に挙げる手法は脅威モデリングの技術の核心に迫るものである。Analogical thinking: ときには、身近なものと理解できないものとの間に関連性を見いだすことが重要である。そのような関連性は、新しく複雑な問題を理解する助けとなり、そのような問題の伝達にも役立つ
Model once, apply to many: 組織は通常、数百から数千のアプリケーションやシステムを活用している。考慮しなければならないのは、これらのシステムやアプリケーションが、あらゆる面で固有のものであるとは限らない点だ。1つの脅威モデルから得られた教訓が、複数のシステムやアプリケーションに適用できる可能性がある例えばビジネスロールは、モデル化されている内容にコンテクストを提供するのに役立ち、セキュリティロールは、脅威がどのように展開する可能性があるかについてのガイダンスを提供する。また、アーキテクトと開発者は、アプリケーションとインフラストラクチャのコンポーネントに関する洞察を提供する。
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