1991年3月10日生まれの男性シンガーソングライター。2009年よりハチ名義でニコニコ動画にボーカロイド楽曲を投稿し、2012年5月に本名の米津玄師として初のアルバム「diorama」を発表した。楽曲のみならずアルバムジャケットやブックレット掲載のイラストなども手がけ、マルチな才能を有するクリエイターとして注目を浴びる。2018年3月にリリースしたTBS系金曜ドラマ「アンナチュラル」の主題歌「Lemon」は自身最大のヒット曲に。「Lemon」も収録した2020年8月発売の5thアルバム「STRAY...
自分も30代になって、いろいろ思うことや感じることも変わってきて。30歳になった節目のあたりで人生ゲームの司会者みたいな人が降りてきて「あなたの30年間の人生はこんな感じでした。さあ引き続きどうぞ」って、いろんなパラメーターがパッと示されたような感覚があったんです。自分なりにがんばってやってきたけど、それによって成功した部分もあれば、失敗した部分もある。大きく育った部分も全然育たなかった部分もある。そうやって自分が今まで生きてきた人生を振り返って、どうあがいても、どうがんばっても自分は自分でしかないなっていうあきらめがついた。よく言えば受け入れた、悪く言えば開き直った感じがあったんです。それによって浄化された部分もあったけれど、とはいえできなかったことができるようになるわけじゃないから、依然として目の前に困難もある。そうなってくると「落ち込んでる時間なんてないな」という感じがどんどん大きくなってきて。近年、そういうことに自覚的な人が増えたと思うんです。ちょっと前に「親ガチャ」って言葉が流行ったり、マイケル・サンデルも言っていたりしましたけれど。そもそも生まれた環境とか、遺伝子とか、親の
自分も30代になって、いろいろ思うことや感じることも変わってきて。30歳になった節目のあたりで人生ゲームの司会者みたいな人が降りてきて「あなたの30年間の人生はこんな感じでした。さあ引き続きどうぞ」って、いろんなパラメーターがパッと示されたような感覚があったんです。自分なりにがんばってやってきたけど、それによって成功した部分もあれば、失敗した部分もある。大きく育った部分も全然育たなかった部分もある。そうやって自分が今まで生きてきた人生を振り返って、どうあがいても、どうがんばっても自分は自分でしかないなっていうあきらめがついた。よく言えば受け入れた、悪く言えば開き直った感じがあったんです。それによって浄化された部分もあったけれど、とはいえできなかったことができるようになるわけじゃないから、依然として目の前に困難もある。そうなってくると「落ち込んでる時間なんてないな」という感じがどんどん大きくなってきて。近年、そういうことに自覚的な人が増えたと思うんです。ちょっと前に「親ガチャ」って言葉が流行ったり、マイケル・サンデルも言っていたりしましたけれど。そもそも生まれた環境とか、遺伝子とか、親の資本とか、そういうものによって自分の適性や能力みたいなものがある程度決まってしまっている。でも「とはいえ、どうしようもなくない?」って思うんです。自分の才能、適正、性格みたいなものが運によってある程度決まってしまっていて、何らかの生きづらさを抱えていたとしても、今さら取り返しがつかない。これからの社会を是正することはできたとしても、今生きている我々はどうしようもない。それは本当に由々しきことだと思うんですけど、ならどうすればいいのかと言われたら、身も蓋もない話だけど、がむしゃらにがんばるしかない。がんばれるのも才能だったとしても、それでもがんばるしかない。勉学でもスポーツでも何でもいいですけど、毎日毎日手が痺れるまで反復する。サッカーだったらボールをずっと蹴ったり、勉学だったらペンを走らせる。社交性がないなら社交の場に赴く。毎日毎日地味なことを反復する。たとえ意味がなかったとしても反復する。自分なりにがんばる。それを努力と呼ぶのであれば、そういう努力でしか自分を地獄から救うことはできない。本当に身も蓋もない話ですけれど、その身も蓋もない現実をどう生きるのかというと「でもやるんだよ」っていう。そうですね。毎日毎日同じようなことの繰り返しだけど「でもこれが俺の人生だ」って、開き直って言うしかない。破れかぶれの開き直り、破れかぶれの空元気。そういう感じです。そんなに意識はしなかったです。ただ、確かに「毎日」ってタイトルだし、「毎日毎日」というところから曲が始まる。曲を作り終わったあとにタイトルをどうしようか考えたんですけど、「毎日」としか言いようがなかった。脳味噌の表層には意識がなかったですけど、影響はあるかもしれないですね。EDM的というのは自分としてはあまり自覚がなくて。今回はYaffleと一緒に編曲をしたんですけど、なんなら自分が作ったデモ段階はもう少しオーガニックなものだったんです。制作していくうちにYaffleが返してきたものがこういう感じだった。「ああ、そういう感じでいくんだ、いいねOK」と続けていったら偶発的にこうなりました。最初と最後に「毎日」ってフレーズが入るのも、頭から順に作っていって、気が付いたらこうなっていたという感じです。こういうものにしようと意図して作っていったわけじゃなくて、順繰りにやっていった結果ですね。やっぱり最初の1行ですね。「毎日毎日毎日毎日 僕は僕なりに頑張ってきたのに」というところをヤケクソになって書いて。そっからは半ば自動書記みたいな、スルスル紐解かれていくようにできていった。勢いでゴリ押そうと思ったんですよ。そういう曲にしようって。コードも基本的にワンループだし、変にこねくり回すんじゃなくて、勢いでテンポよくポンポン進んでいって帰ってくる感じですね。
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