独立系の民間シンクタンク「地経学研究所」が実施した「2022 経済安全保障100社アンケート」では、多くの日本企業の認識として、経済安全保障リスクの影響を実際に受けていることがわかる。 →米中対立やウクライナ侵攻、事業に大きく影響
独立系の民間シンクタンク「地経学研究所」が実施した「2022 経済安全保障100社アンケート」では、多くの日本企業の認識として、経済安全保障リスクの影響を実際に受けていることがわかる。2021年に続いて実施された、今回のアンケート調査は、製造業・非製造業を問わず20以上の業種の企業81社が応じた。
経済安全保障について「全く意識していない」とする会社も1.2%あったものの、大半が「ある程度」以上の意識をもっていると回答。取締役会や役員会でも88.8%以上の企業で経済安全保障が議題となっており、88.9%が経済安全保障推進法の成立前から経済安全保障の取り組みをしていたと答えた。取り組みの内容では、「情報管理の強化」(75.0%)、「サプライヤーの変更や多元化」(51.4%)、「投資計画の変更」(27.8%)が多くを占めた。取り組みの課題については、「米中関係の不透明性」(71.6%)、「国際情勢に関する情報収集」(65.4%)、「リスク評価」(64.2%)など、情報やその判断に関する項目を挙げる声が多かった。
興味深いのが米中対立の影響だ。63.7%が事業に何らかの影響が出ていると回答。具体的には「関税を含む規制強化によるコスト増」だけでなく、「サプライヤーの変更」も起きていた。米国事業か中国事業かを選ぶならば、「事業の将来性」を軸に判断するとし、「どちらかを選択することはできない」という意見が数多く出た。ロシアによるウクライナ侵攻の影響についても、「売上減」(49.3%)、「事業所の営業休止または閉鎖」(42.0%)など、83.8%が事業に影響が出ているとした。 今回のレポートで特にフォーカスされているのは、機密性の高い情報を取り扱う人の資格を定めて認証するセキュリティ・クリアランス制度だ。約75%がすぐに、または将来的な必要性があると考えており、制度の不在で国際事業参画が不利になるという懸念も上がっていた。同制度は、プライバシーの問題などに配慮しつつ、政府内で法整備に向けた検討が進んでいる。
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