スーパーコンピューター「京(けい)」を取り上げたNHK「新プロジェクトX~挑戦者たち~」が、ネット上で波紋を広げている。当時、京の開発責任者を務め、その後富士通を離れた人物に番組でほとんど触れられなかったことで、企業の都合が番組に反映されたのではないかという見方だ。
一体、何があったのか。京は、富士通と理化学研究所が開発し、2011年に稼働したスーパーコンピューター。演算性能は約10PFLOPS(ペタフロップス)で、これが1秒間に1京回(10000兆回)の計算にあたることから京と名付けられた。番組では富士通の技術者が登場し、当時の状況を語った。
しかし放送後、X上である投稿が注目を集めた──「プロジェクトX見た。京の開発責任者で、その後富士通と道を違えた父が一切出ず、直属の上司や部下で、今も富士通との関わりが深い人たちのみが登場する内容には、家族としては非常に複雑な気持ちである。集合写真で真ん中でガッツポーズ決めてたのに」。父というのは、当時「京」の開発責任者を務めていた技術者・井上愛一郎さんのことだった。 井上愛一郎さんの弟で、サウンドプロデューサーとして知られる井上慎二朗さんも、「夕飯食べてたらたまたま新プロジェクトX始まって『スパコン京』の話だってもんで、途中用事あったから残り録画して見たけど、兄の『あ』の字も『い』の字も出てこず、ついでに言うと僕の青学同学部同期生の件も全く触れられてなかった。wikiからもそこの一文消えてるし、おっかしいよね」とXに投稿している。
井上さんは、名前をネットで検索すれば、ITmediaを含めテクノロジー関連の記事がいくつも出てくる著名な技術者だ。富士通で長年にわたりCPU開発に従事し、京の開発時は、常務理事・次世代テクニカルコンピューティング本部長という立場で富士通側の開発責任者を務めた。「第10回日本イノベーター大賞」の受賞者紹介。「井上氏は、理化学研究所と京を共同開発した富士通側の開発責任者で、チーム作りなどで重要な役割を果たした」とある(日経BP社のWebサイトより) 2011年、「京」がLINPACKのベンチマークTop500で第1位(世界一)になった時の記者会見で、井上さんは「年齢を問わず、スーパコンピュータの開発に情熱を注ぐすべての技術者の力を結集できた成果」と話している(
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