沖縄で「緑の革命」実現を 「照間トウモロコシ」開発 田場佑俊さん 農学博士 - 琉球新報デジタル
【うるま】うるま市与那城照間に青々としたトウモロコシ畑が広がっている。トウモロコシの種を保存するため南米を渡り歩いてきた農学博士の田場佑俊さん(77)が約10年かけて、出身地で沖縄に適したトウモロコシの品種改良に取り組み、このほど沖縄の気候や土壌に合ったトウモロコシを独自に開発した。「照間トウモロコシ」と名付けた田場さんは「沖縄で緑の革命を実現させたい」と意気込む。
1975年から研究員として在籍したメキシコにある国際トウモロコシ・小麦改良センター(CIMMYT)から、2014年に優良品種や在来種など遺伝子組み換えでない約250種を取り寄せ、研究を始めた。選抜と交雑を繰り返しながら改良を重ね、約10年間の試験を経て「台風や害虫、病気にも強いトウモロコシ作りに成功した」と説明した。田場さんは琉球大学農学部を卒業後、1971年に米国カンザス州立大学に留学し、農学の博士号を取得した。CIMMYTの研究員時代は、エクアドルやボリビアなど南米各地を巡り、トウモロコシの育種や種の保存に携わった。世界的な飢餓を防ごうと、60~70年代に米や小麦、トウモロコシなど穀類の品種改良で生産性向上を実現した「緑の革命」も体験した。これら品種はアジアやアフリカ、中米に広がり、現在でも世界の穀物生産に寄与している。
一方、沖縄では穀物栽培よりもサトウキビやパインの栽培が進んだ。「沖縄は緑の革命に乗り遅れた」と定年を迎えて一念発起。「トウモロコシは世界で一番大切な穀物で、食料安全保障にもつながる。誰かがやらないといけない」と決意し、沖縄に戻って栽培試験に向けた準備に取りかかった。 開発した種子は品種登録や権利取得はせず、公共財(在来種)として県内農家に普及する予定だ。「この種子を使いたい農家や、県農研センターに新たなハイブリッド種の開発のため提供していきたい」と語った。 (玉寄光太)
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