横浜ＦＣ近藤友喜、初のＵ―22 サッカー日本代表 候補合宿を終え「自分の力を世界で試したい思いは強くなった」 サッカー soccer football
１５分×３本で実施された紅白戦には「推進力やドリブルといった特長をサイドで出していく」と臨んだ。大学生も１６人と多い中で今季Ｊ１リーグ７試合に先発出場する近藤は、「強度の面では自信を持てた。Ｊリーグで試合に出続けているからこそ」とボールを持てば右サイドから突破を試みるシーンも。「中盤の選手はうまい選手が多いし、真ん中って意識があるからこそ外が（スペース）空くなってのは感じたので、横浜ＦＣでも自分にいい形でボールが入ってくるように」とポジショニングをはじめとした今後につながる学びを得た。同時に、「即席のチームだけどチームとしてはプレッシャーの部分がゆるくなったりミスが増えてカウンターのやり合いになってしまった。もう少しボールを大事にすること、いくところいかないところをハッキリさせる判断ができたら良かった」と終盤の戦い方には反省の色も浮かんだ。
０１年早生まれのパリ五輪世代。これまでも「目指してきた」舞台ではあったが、「行けると思ってる場所ではなかった」と正直に語った。それでも、日大３年時にＪ１デビューを果たすなど、つい先月まで大学生だったが早くからレベルの高い環境でもまれてきた。当初は「ボールを受けるのがこわいところから始まった」が、今季のキャンプは「チームメートともコミュニケーションがしっかり取れて、始めから自信を持って臨むことができた」という。３月の欧州遠征に参加した同学年のＦＷ木村勇大（京都）や横浜ＦＣの同僚であるＤＦ中村拓海から濃い経験談を聞き、自身も候補合宿のメンバーに名を連ねたことで、「五輪への思いが強くなったし、自分の力を世界で試したい思いは強くなった」と目標が具体化された。
もっとも、今季Ｊ１に昇格したチームは９試合を終えて未勝利と、苦境が続く。「正直チームとして結果が出てなくて、個人としても数字を残せてない中での招集だったので、もどかしい気持ちだった」と複雑な胸中があったことも事実だ。だからこそ、「ここまでＪリーグに出ている中で得点は一つもないし、まず横浜ＦＣを勝たせる選手にならないと世界では戦っていけない。自分が数字を残せれば勝ち点は積み重ねられると思う。早くから自分を拾ってくれたチームに貢献したい。１回チームを離れてこの合宿で得たものを還元していかないと」と数字へのこだわりや、チームの中心選手として戦っていく強い自覚を示した。 スタッフを含めた代表チームの雰囲気や「一歩の寄せ」といった細部にこだわる重要性をより感じた。大岩剛監督は常に”日常”の大切さを説く。「次は６月に活動（欧州遠征）があると聞いたのでそこを目指したい。練習を大事にＪリーグでしっかりアピールして、また選ばれるように」。まず成し遂げなければいけないのは、横浜ＦＣで待望の初勝利をつかむこと。「苦しいけど、苦しい経験を（プロ）１年目でできているのはポジティブに捉えたいし、この現状を自分の力で打開できるような選手になれば、世界も見えてくると思う。今は苦しいけど前向きに頑張りたい」と力強い言葉を残した。（小口 瑞乃）
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