森山開次演出「ラ・ボエーム」稽古場レポート&キャストが語る新制作の楽しみ

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森山開次演出「ラ・ボエーム」稽古場レポート&キャストが語る新制作の楽しみ
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1973年、神奈川県出身。21歳よりダンスを始め、2005年、自身の演出・振付によるソロ作品「KATANA」でニューヨークタイムズ誌に「驚異のダンサーによる驚くべきダンス」と評される。2007年、ヴェネツィア・ビエンナーレに招聘。2012年、「曼荼羅の宇宙」で芸術選奨文部科学大臣新人賞ほかに輝く。コスチュームアーティスト・ひびのこづえ、音楽家・川瀬浩介との協働「LIVE...

)。冒頭で井上は「こういうとき、感無量っていう言葉を使うんでしょうけど、僕も今回、その言葉を使いたい」とあいさつ。続けて「60年前、中学生のときに“自分はどう生きていったら良いのかな”と考え始め、そこからいろいろなことがあって……。僕はもともと、音楽家になりたくて指揮者になったわけではなく、舞台で一生を終えたいと思っていました。世の中は虚偽に満ちているから、それなら思い切り嘘ついてやろうと(笑)。ですから今回、おもいっきり素晴らしい“嘘”を舞台で作ることができ、こんなにうれしいことはないです」と思いを語った。「ラ・ボエーム」を最後のオペラに選んだことについては、「青春に戻りたい、という単なる憧れですよ(笑)」と冗談めかしつつ「今回はなるべく自分に正直にやりたいと思って。であれば、日本語かイタリア語のオペラが良いなと思い、『ラ・ボエーム』にしました」と作品への思いを語った。一方、森山は「僕は舞踊家なので、『ラ・ボエーム』がオペラの方たちにとってどれだけ大きな意味を持つか想像ができないところがありますが、大きな作品であるということだけは、ひしひしと伝わってきます」と言い、「ではなぜ『ラ・ボ

取材に訪れた日は、海外キャストが合流して二日目の稽古。今年1月に英国ロイヤルオペラで同役を演じたばかりの、ミミ役ルザン・マンタシャン(中川郁文とWキャスト)、ムゼッタ役のイローナ・レヴォルスカヤらに全体の流れや動きを共有しながら稽古が進められた。なおその日は演出が中心の稽古だったため、指揮の井上道義はお休みで、森山を中心に複数のスタッフが連携し合い、稽古が進められた。休憩後は1幕の稽古からスタート。アクティングエリアの上手には粗末なストーブと質素なテーブル、下手にはモーセの紅海を描いた大きなキャンバスが置かれ、稽古場には質素な屋根裏部屋の一室が出来上がった。若き芸術家たちが暮らすその部屋には詩人のロドルフォ(工藤和真)、画家のマルチェッロ(池内響)、哲学者のコッリーネ(杉尾真吾)がいて、3人はあまりの寒さにストーブの前で身を寄せ合っている。とそこへ、仕事が見つかった音楽家のショナール(ヴィタリ・ユシュマノフ)が意気揚々と帰って来た。ショナールが纏う“陽”の空気に乗って、ダンサーたちも燃料や食料を掲げて部屋に入ってくる。ショナールが紙幣や金貨をばら撒き、「フランス銀行は君たちのせいで」と

貧しさに不平を溢しつつも、芸術家たち4人がどこかのんきに見えるのは、彼らが若いからなのか、芸術への思いが激っているからなのか、それともボヘミアンという共通点があるからなのか。実直で感性豊かなロドルフォ、人間味あふれるマルチェッロ、冷静さと情熱を併せ持つコッリーネ、希望に胸膨らませるショナールを、工藤、池内、杉尾、ユシュマノフは生き生きと演じる。そして4人のチームワークが演技のうえだけではないことは、演出家の言葉を具現化していく際に、4人がそれぞれ意見を出し合って一緒に検討している様子からもよく伝わってきた。そうしてベノアを部屋から追い出すと、ロドルフォ以外の3人はショナールが持ってきた金を手に、クリスマスの街へと繰り出していく。残ったロドルフォが1人原稿を書いていると、戸口をノックする音が。隣室に住むお針子のミミが火を借りに来たのだ。ミミを演じる中川郁文は、可憐さと儚さを滲ませるような澄んだ歌声で登場。そして暗闇の中、落とした鍵を2人で探すうちに、ロドルフォとミミの距離は一気に縮まる。工藤はアリア「冷たい手を」を情熱的に歌い上げ、中川は「私の名はミミ」を伸びやかに披露。特に印象的だった

お互いを愛していながらも、悲しい現実を前に“別れ”を選択するロドルフォとミミ。そんな彼らとは対照的に、愛憎入り混じった口論を繰り広げ“別れ”に突き進んでいくのはマルチェッロとムゼッタだ。マルチェッロはムゼッタの浮気ぐせが許せず、彼女を咎めるが、ムゼッタもまたマルチェッロを挑発し続けて、2人は激しくぶつかり合う。池内は、仲間といるときの落ち着いた雰囲気とは裏腹に、嫉妬心に駆られるマルチェッロを表情や声の1つひとつを変化させ、細やかな演技で表現。対するムゼッタ役のイローナ・レヴォルスカヤは、鋭く相手を突き放すような激しい言動でムゼッタの魅力を打ち出した。2組の恋人はそれぞれ違った様相を見せつつも、「それでは本当におしまいなんだな」と歌声を絡ませながら、同じ結末に向かっていく。4人の声が大きなうねりを見せた3幕のラストに、稽古場にいた全員が思わず拍手。森山も拍手でキャストを称え、笑顔を見せた。ただ、“良かったからこそ”さらに森山のイメージが膨らんだようで、「最後の、歌のミックスで動きにもミックス感が出るようにしたいです」と、2組の恋人の関係性が交錯する動きに、再び調整を加えた。ふと森山の演出

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