全国の書店員さんの投票によって決まる「2024年本屋大賞」が4月に発表されます。過去には辻村深月さんの「かがみの孤城」や逢坂冬馬さんの「同志少女よ、敵を撃て」など、手に取りやすく面白い数々の作品が受賞...
「幸せはお金では買えない」とよく言われますが、本当にそうでしょうか。それは真に貧しい暮らしをしていないから言えるきれい事ではないかという反論もあります。「黄色い家」は1人の少女が生き延びるため、そして自身が手に入れたささやかな居場所を守るため、やむにやまれず犯罪に手を染めていく物語です。読み手の心がひりひりするような一人称の文章、疾走感のある筋立てから、生きることの切なさや悲しみ、少しだけきらめく人間らしい光などが見えてきます。72万6千円や7万3千円、50万円など要所要所で登場する数字は切実でリアルです。貧困や女性・在日韓国人の人権、機会不平等…。社会の理不尽にどう立ち向かうか―。重い問い掛けが胸に残ります。ちなみに著者の川上未映子さんは三島由紀夫賞の選考委員をしていた際、候補だった十勝在住の河﨑秋子さん著「土に贖(あがな)う」を激推しした人物です。(栗山麻衣)ある事情から、山あいの町に引っ越すことになった姉妹。本作はその18歳の理佐と8歳の律の40年を描く物語です。ネネはしゃべる鳥ヨウムの名前で、理佐が働くそば屋で水車小屋の番人をしています。ファンタジーではなく、ネネは言葉を全部理
これまでに大賞を2回受賞したことがあるのは恩田陸さん(第2回「夜のピクニック」、第14回「蜜蜂と遠雷」)と凪良ゆうさん(第17回「流浪の月」、第20回「汝(なんじ)、星のごとく」)です。また、本屋大賞と何かと比較される直木賞とをW受賞しているのは恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」(直木賞は第156回)。道内ゆかりの作家では、十勝管内新得町で暮らした経験がある宮下奈都さんが「羊と鋼の森」で受賞(第13回)しています。(能正明)
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