揺れるゴールデングローブ賞 多様性求め放送中止や返上
【シリコンバレー=佐藤浩実】米アカデミー賞の前哨戦として知られる映画賞「ゴールデングローブ賞」が揺れている。主催団体の会員の人種構成や選考姿勢などをめぐり、俳優らの批判が拡大。11日までに米テレビ局が2022年の授賞式の中継を中止すると決めた。主催者側は改革を表明しているものの、混乱が続きそうだ。
「大がかりな改革には時間と労力が必要だ」。米NBCユニバーサルは10日、傘下のテレビ局NBCで22年のゴールデングローブ賞の放送を見送ると明らかにした。1990年代から続いていた冬の特別番組の放映が途切れることになる。 発端は米紙ロサンゼルス・タイムズの報道だ。同紙は2月、ゴールデングローブ賞を選ぶハリウッド外国人記者協会(HFPA)の80数人の会員に黒人が1人もいないと報じた。多様性の乏しさは選考作品の偏りにつながるとして批判が広がり、放送を担うNBCユニバーサルなどもHFPAに自主改革を求めていた。 ただ、22年初めの次回の授賞式までに変革が進むのは難しいと判断したようだ。米ネットフリックスや米ワーナーメディアもHFPAの改善の成果が見えるまでは関わりを持たないとしている。映画メディアのデッドラインなどは、トム・クルーズさんが抗議のために過去の受賞を返上したと伝えた。類似の批判はかつて米アカデミー賞でも起こった。主催団体の米映画芸術科学アカデミーは16年に、5年間で女性やマイノリティーの会員を2倍にする目標を設定。実現し、近年の受賞作の顔ぶれの多様化につながっている。
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