ソフトバンクグループの会見では、孫正義会長兼社長とテンパスAI COOのRyan Fukushima氏、医師らを交え「ASI時代におけるこれからのがん治療のあり方」と題し、パネルディスカッションが開かれた。
ソフトバンクグループ(SBG)は8月、AIと精密医療のリーディングカンパニーである「Tempus AI(以下テンパス)」との合弁会社「SB TEMPUS(エスビーテンパス)」を始動する。遺伝子検査で得られた医療データをAIで解析。患者ごとに最適な治療を提案するサービスの展開を目的としている。まずはがん治療を対象に活用する予定だ。の後、孫氏とテンパスCOOのRyan Fukushima氏、医療関係者を交えて「ASI時代におけるこれからのがん治療のあり方」について、パネルディスカッションが開かれた。その模様をお届けする。
東京大学大学院医学系研究科統合ゲノム学分野教授の織田克利氏は「ゲノム医療が始まってから、これまでの医療では分からなかった遺伝子の変異が明らかになっています。AI解析サービスの導入が実現すれば、ゲノム医療で得た情報を最大限に生かしきれると感じました」と話す。がんは正常なDNAが変異を起こしたものだ。孫氏は「どんな変異が起きたかを(遺伝子検査によって)解析すべきだ。検査によって一人一人のがんの特性が分かる」と話した。エスビーテンパスのサービスが始まれば、AIによる医療の進展につながるのは間違いない。がん遺伝子パネル検査(がんの発生に関わる複数の遺伝子の変化を調べる検査)が保険適用となった2019年6月、日本のゲノム医療時代が幕を開けた。一方で、検査の実施件数は年間およそ2万件とまだまだ少ない。検査データの入力や解析に多大な労力がかかることが大きな要因だ。
「もともと、がん遺伝子パネル検査というのは、がんと診断されて、抗がん剤の適用になった時にやるべき検査なんです。しかし、日本の場合は標準治療が終わった後でなければ検査ができない仕様になっている。適切な治療を提供するには、早い段階での検査が必要です。逆にいうと、今の状態は患者さんから適切な治療を受けるタイミングを奪っていることになります。早期に検査を受けられるように、制度の変更を訴えていきたいです」(武藤氏)
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