歌舞伎俳優の坂東玉三郎が1日、東京・歌舞伎座で初日を迎えた「秀山祭九月大歌舞伎」(25日まで)の夜の部「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)」で女形の大役である太宰後室定高を演じた。
「妹背山―」の3段目にあたる「太宰館花渡し」と「吉野川」の場面を上演。大判事清澄(尾上松緑)とその嫡男の久我之助(市川染五郎)、太宰後室定高(玉三郎)とその娘の雛鳥(尾上左近)という2組の親子の悲劇を描く。「花渡し」の場では、両家が不和を装って采女の局を匿っていると疑う蘇我入鹿は、それぞれの子、雛鳥の入内と久我之助の出仕を要求し、桜の花を渡し、その後の悲劇を予感させる。
「吉野川」の場では、幕が開くと、桜満開の妹背山に挟まれた吉野川を滝車と両花道で表現する雄大なスケールの大道具に、客席からはため息がもれた。久我之助と雛鳥が川を挟んで対面し言葉を交わす、切なくもいじらしいやりとりが観客を作品の世界に引き入れる。その後、思いがけない形で2人が対面する場面では、観客のすすり泣きが聞こえた。 2016年以来、8年ぶりの定高について「娘の思いを遂げさせたいという心が根底にある中で、政治のうねりの渦中で後室としての立場など非常に複雑なものを抱えています」と説明。「松緑さん、染五郎さん、左近さんと上演できることが大変光栄に思います。こうした時代物で若い2人(染五郎、左近)とご一緒したのは初めてですが、共に一生懸命お稽古をして勤めさせていただいたいと思います」と意欲的だ。
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