M&A（合併・買収）やデジタルトランスフォーメーション（DX）への対応の度合いで、企業の成長力に差が生まれている。政府は従業員が数百人規模の中小企業を除く2000人以下の企業を「中堅」と位置づけ、地域経済のけん引役として期待する。税優遇などでM&Aを支える。政府は2024年を「中堅企業元年」として各種の施策を打ち出す。物価と賃金の好循環による経済の活性化には賃上げが重要で、地域
M&A（合併・買収）やデジタルトランスフォーメーション（DX）への対応の度合いで、企業の成長力に差が生まれている。政府は従業員が数百人規模の中小企業を除く2000人以下の企業を「中堅」と位置づけ、地域経済のけん引役として期待する。税優遇などでM&Aを支える。
政府は2024年を「中堅企業元年」として各種の施策を打ち出す。物価と賃金の好循環による経済の活性化には賃上げが重要で、地域の中核を担う中堅のテコ入れを進める。政府が閣議決定した産業競争力強化法の改正案が5日、衆院本会議で審議入りした。21年までの5年間で売上高の増加率の上位と下位の3分の1ずつを比べると、小売業やサービス業といった内需主導型でM&Aの実施率に21ポイント、DXでは29ポイントの差があった。製造業などグローバル展開型に関しては、設備投資の実施率で13ポイントの開きがあった。新たに設ける中堅企業は中小よりも大きく、従業員が2000人以下の枠組みとする。大企業ほど規模が大きくなくても、現在は税制などで大企業と同じ扱いとなっている。中小のまま成長しない方が恩恵が大きいとして、大企業へと成長する意欲をそいでいるとの指摘があった。
法改正によって中堅企業の枠を設け、税優遇などで成長を後押しする。賃金水準が高く国内投資に積極的であれば「特定中堅企業」と定め、複数回のM&Aへの税制の優遇や日本政策金融公庫の大規模・長期支援、設備投資減税の拡充の対象に加える。 経済同友会は5日に中堅・中小企業政策に関する政府への提言を発表した。提言は「企業の新陳代謝を促進する政策へと転換し、競争力のある企業に資本や労働力を移すことが必要だ」と説明し、規模の拡大をめざしやすい環境づくりを求めた。M&Aを含めた事業承継では官民共同出資で「中堅・中小企業事業承継機構（仮称）」を創設し、社内外の後継ぎ候補者への株式売却まで経営を支える案を提唱した。
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