前編ではスタートアップがデカコーンに向かう上で何が必要なのか考察するとともに、事業機会を捉え一気に展開したマネーフォワードについて解説した。後編では、フリーの成長戦略とユニコーンからデカコーンに向かう成長戦略の仮説を提示したい。
フリーは、コロナ禍で中堅企業向けのセールスサイクルが長期化し、新規獲得が鈍化した。IR資料によると、2020年から21年にかけて年率50%程度の成長を遂げたものの、2020年から21年の第1四半期まで中堅企業向けのセールスサイクル長期化と新規獲得の下振れ、コロナ禍の影響について記述があり、当初想定を下回った様子がうかがえる。
(※1)Enterprise Resource Planning(エンタープライズ・リソース・プランニング)の略で、システムの文脈で用いる際には、企業内の多様な業務の情報を繋ぎ、管理、分析するためのソフトウェアシステム次にフリーが提供するアプリストアに、決済機能を追加した。これは、新戦略の柱の一つとして挙げられた「オープンプラットフォーム構想」を支える具体策の一つだった。フリーは、小規模企業の多様なニーズに応えるアプリを提供するために、サードパーティの開発者がアプリを掲載できるアプリストアを運営していた。決済機能の追加により、サードパーティのアプリ開発者は自社で決済システムを構築する必要がなくなり、よりスムーズに有料アプリを提供することが可能となった。
2022年度決算では、フリーの中堅企業向けのセグメントは順調に成長し、ARR成長率を50%に保った。2021年に発表したプロダクトが部分導入可能なものであり、中堅企業の多様なニーズを捉えたものだったことで、ARR成長率が維持されたと評価された。この際、中堅の既存顧客向けはセールス一人当たり獲得ARRが1.7倍、成約率が2.1倍と新規営業よりも効率が高いことを確認できた。
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