ウクライナのゼレンスキー大統領は21日、ロシアの侵略を受けるウクライナでの停戦案として浮上している欧州の平和維持軍の展開規模について「20万人が最低限だ」と語った。トランプ米大統領との会談準備も進めていることも明かした。スイス東部ダボスで開催中の世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)の講演後、記者団に語った。2月にも想定される停戦協議を前に、有利な条件を引き出すために高い要求を突
ウクライナのゼレンスキー大統領は21日、ロシアの侵略を受けるウクライナでの停戦案として浮上している欧州の平和維持軍の展開規模について「20万人が最低限だ」と語った。トランプ米大統領との会談準備も進めていることも明かした。ゼレンスキー氏は講演で、ロシアのプーチン大統領が将来、再侵略するためにウクライナに軍の規模の5分の1への削減を要求するだろうと指摘。「我々はこれを許さない」と強調した。トランプ氏がNATO加盟国に対し、GDPに占める国防費の割合の目標を従来の2%から5%への引き上げを要求していることを念頭に「国内総生産(GDP)比5%の額が必要なら、5%投資すべきだ」との見解を表明。「欧州の全ての国が、本当に必要なだけ防衛に投資すべきだ」と注文を付けた。欧州有志国による平和維持軍の派遣は、米欧やウクライナで浮上している停戦案の柱となっている。NATOへのウクライナの加盟を当面先送りする代わりに、欧州から停戦ラインを警備する兵員を送り、侵略の再開の抑止力とする構想だ。
ただ、ウクライナ東部と南部の約1千キロメートルにも及ぶ前線で実効性の高い平和維持活動に当たる場合、10万人超の兵員が必要になるとみられていた。長期の兵員派遣の負担を抑えたい英仏など有志国は数万人規模の派遣を想定しているとみられ、ゼレンスキー氏の要求とは乖離(かいり)がある。トランプ氏の圧力を利用して、欧州からさらに軍事支援を引き出す狙いとみられる。トランプ氏が20日の就任演説でウクライナへの言及を見送るなど、欧州への米国の関心の低さへの危機感ものぞかせた。
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