キトラ古墳(奈良県明日香村)の壁画が昭和58年11月に発見されてちょうど40年にあたる7日、記念講演会が奈良市二条大路南の平城宮いざない館で開かれた。同村文化…
キトラ古墳(奈良県明日香村)の壁画が昭和58年11月に発見されてちょうど40年にあたる7日、記念講演会が奈良市二条大路南の平城宮いざない館で開かれた。同村文化財課の西光(さいこう)慎治課長補佐が発掘や壁画の意義などを解説。被葬者について「渡来系に出自をもち、律令国家の整備に深く関与した政権中枢の人物」との見解を示した。
キトラ古墳は58年11月7日、発掘をせず内部を見ることができるファイバースコープで調査され、石室内に描かれた壁画「玄武(げんぶ)」を発見。高松塚古墳以来、国内2番目の古墳壁画発見となり、考古学ブームを巻き起こした。平成10年に小型カメラで石室内を再び撮影し、天井に描かれた天文図や西壁の白虎などが見つかった。その後、朱雀(南壁)や十二支を表現した獣頭人身像も確認され、西光さんは10年の調査から携わった。講演会の冒頭、西光さんは「講演会は休日開催が多いが、7日というこの日にこだわった」とし、40年前の壁画発見を報じる新聞記事を示しながら説明。自身が携わった平成10年の調査では、「石室に小型カメラを入れる穴を開ける際、報道のテレビカメラが目の前にあり、大変なプレッシャーだった」とエピソードも交えて話した。
天文図や朱雀などの四神、十二支像などは「中国では時間や空間を支配する極めて重要な意味があった」と指摘。被葬者についても触れ「古墳が築かれた地域は渡来系集団の居住地で、朝鮮半島との関連を考えざるを得ない」と述べた。 いざない館では12日午前10時から、同古墳の朱雀などを描いた日本画家で京都教育大名誉教授の烏頭尾精(うとおせい)さんと西光さんの対談が行われる(事前申し込み必要)。問い合わせは同館(0742・36・8780)。平城宮いざない館では、キトラ古墳壁画発見40年を記念した企画展「飛鳥のモティーフ~葬りのカタチ」が開かれ、飛鳥時代の天皇ら皇族クラスが葬られた古墳の実態に迫っている。12月10日まで。企画展では、巨石を組み合わせたりレンガ状の石を積み上げたりした個性あふれる石室について紹介。キトラ古墳で発掘された石室の破片や、平成10年の調査の際、墳丘に穴を開けるために使われた長さ2メートルの手動のドリルも並んでいる。
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