イスラエル軍、ヒズボラの支配下にあるレバノンへ2006年以来となる地上侵攻を開始。ヒズボラを掃討するためとしている。この決定はヒズボラ指導者の殺害への報復としてイランが多数の弾道ミサイルを発射する事態を引き起こした。
イスラエル は先月下旬の レバノン 空爆で親 イラン 民兵組織 ヒズボラ のカリスマ指導者を殺害したのに続き、 レバノン へ２００６年以来となる 地上侵攻 に踏み切った。 ヒズボラ を掃討するためとしている。これに対し イラン は ヒズボラ 指導者殺害への報復として、 イスラエル に多数の弾道ミサイルを発射した。
パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスの奇襲を受け、イスラエルがガザに攻撃を開始し、間もなく１年。ハマスと共闘するヒズボラは、イスラエルを攻撃してきた。その一方でヒズボラを支えるイランはこの半年間、イスラエルへの攻撃を控えてきた。長引くガザを巡る戦闘が飛び火する形で、中東情勢は緊迫、混迷の度を増している。イスラエルとヒズボラには０６年に大規模交戦があり、レバノンで１１００人以上、イスラエルでは約１６０人が死亡した。ガザで戦闘が始まった直後からは、ヒズボラがイスラエル北部をロケット弾で攻撃。住民がエルサレムなどで避難生活を強いられている。イスラエルは今年７月、レバノンを空爆し、ヒズボラ最高幹部を殺害した。その翌日にイランを訪問していたハマス最高幹部が、滞在中の住居にミサイルを撃たれ死亡。先月中旬にはヒズボラ戦闘員が使うポケットベルなどが一斉爆発し多数の死傷者が出た。いずれもイスラエルが関与したとされる。その上でのレバノン空爆の本格化、０６年以来の地上侵攻である。
イランは在シリア大使館を空爆された報復として、４月に弾道ミサイルなどでイスラエルを初めて直接攻撃。その後はハマスの最高幹部が自国内で暗殺され、国民に批判されたが、ガザの停戦交渉への影響を考慮しあえて報復しなかった。 しかし、今回は報復の連鎖に陥るリスクを取ってまでも、イスラエルへの弾道ミサイル攻撃に踏み切った。体面を保つ必要があったのだろう。レバノンが地上侵攻されたことも影響したとみられる。ただイラン外相は、イスラエルの反撃がなければ「われわれは行動を終了する」と表明。紛争拡大は避けたい思惑がにじむ。
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