世界の為替市場は「凪(なぎ)」の状態にあるが、各国中銀の利下げと11月の米大統領選挙が動意付かせるとトレーダーや投資家はみている。
4月4日、写真は各国紙幣のイメージが掲示されたカイロの両替所。3月撮影(2024年 ロイター/Mohamed Abd El Ghany)市場関係者が注目するドイツ銀行の通貨インプライド・ボラティリティー(予想変動率)はここ2年で最低で、新型コロナウイルス禍前とあまり変わらない水準にある。米国債利回りはここ数日、上昇している。これは予想を上回る経済指標を受けて市場が予想する米利下げ時期が後ずれしているためだが、ユーロ圏の債券利回りもほぼこれに追随している。実際、中央銀行は徐々に動き出している。スイス国立銀行は3月、現行サイクルにおいて主要中銀で最初に利下げした。米連邦準備理事会(FRB)、欧州中央銀行(ECB)、イングランド銀行(英中銀)も年内に利下げすると予想されている。
JPモルガン・プライベートバンクのグローバルFX戦略責任者サミュエル・ジーフ氏は「実質的なボラティリティーにつながるのは、中央銀行間の差が開くことだ」と述べた。ただ、欧州と米国のインフレが同じような動きをしており、今年前半は金融政策の差が顕著になることはないと予想している。11月の米大統領選でトランプ前大統領が勝利した場合(もしトラ)の影響は強く意識されている。トランプ氏は昨年、大統領に返り咲けば一律10%の輸入関税を導入する考えを示し、2月には中国製品に60%以上の関税を課す可能性もあると述べた。バークレイズでは、トランプ氏が大統領選で勝利した場合、追加関税を背景にドルが3%上昇し、ユーロは対ドルで等価まで下げる可能性があると予想する。BNPパリバのFXボラティリティー・ストラテジスト、オリバー・ブレナン氏によると、通貨オプションはメキシコペソ、ポーランドズロチ、人民元の変動に備えていることを示唆する。これら3通貨はトランプ氏が勝利した2016年の大統領選後に急落した。「(3通貨の)9カ月─1年のレンジのボラティリティーはかなり高い。どの通貨も11月の選挙前後は変動するだろうが、この
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