全自治体のトップを対象にした大規模アンケート ☑7割が“ふるさと納税”は「プラスの影響」 しかし ☑人口規模の大きい政令指定都市では「プラス」はわずか5.0% 激化する競争に悩む自治体も 政治マガジン
この町が今年度集めた寄付額は約5億4700万円。(2023年2月末現在)「奥大山の水は本当においしく、ふるさと納税で多くの人に知ってもらった。地元にとっては誇りというか、自分たちの町には世の中から評価されるものがあるんだと、そういう自信にはつながった」 町が「水」に力を入れるきっかけとなったのは、水道から出る水がおいしいことに感動を覚えたという東京から移住した職員だった。「せっかくある宝の持ち腐れだな」と考えたこの職員は、「ふるさと納税で水を推していきたい」と提案。ただ、地元出身の職員からは「水で大丈夫か」と疑問の声も上がったという。 それでも、予算が限られる中で、ふるさと納税のサイトでの紹介を、移住者の職員を中心に自分たちで制作。写真や文字にも工夫を凝らし、水の魅力がPRできるよう取り組み、返礼品を取り扱う仲介サイトも大幅に増やした。町長が「手作り感」と表現する工夫で、寄付額の大きな増加につながった。 寄付による財源を生かして、町は、今年度から町に1校ある義務教育学校の給食の無償化を実現したほか、家庭学習を後押ししようと小学生から高校生までの子どもがいる家庭でWi-Fiを使ったインターネット使用料を補助するなど、住民サービスの向上につなげている。昨年度の決算ベースで、ふるさと納税による寄付額は、町の一般会計の歳入全体のおよそ10%に達したという。白石町長は、「ふるさと納税」について「制度がある以上、うまく使って町のためになるようにしたい」と考えている。 「町のことを知っていただくというのが前提なので、そういう意味でものすごく意味のある制度だと思う。ただ、あまり頼りすぎるのもいけないので、政策の基盤のところというよりは、どちらかというと、町の未来への投資になるようなことに、いただいた寄付を使っていくようにしたい」今までの地方創生はやはり国にやってもらってという意識が非常に強かった。そこに対して、ふるさと納税は自分たちで自走するんだって意識を植え付けた。地域の人にとって当たり前のことが、都市部の人から見たら魅力的だということは結構ある。最終的には地域に自信を取り戻す、これをふるさと納税という制度でうまくやっていこうということではないか一方、マイナスの影響と回答した自治体では何が起きているのか。制度の弊害の1つとして指摘されるのが、住民税の控除、つまり自分が住む自治体に納めるはずの税金が差し引かれることによる都市部からの税金の流出だ。最も多いのは横浜市で230億900万円。次いで、名古屋市が143億1500万円、3位は大阪市で123億5900万円などと、政令指定都市や東京23区が上位20自治体を占めていて、これらだけで、住民税の控除による減収の25%を占めている。税金というのは、その地域に住む人々にとって必要不可欠なことを行うためのもので、自治体の失政というわけでないのに、その税金が流出することを制度として認めてしまっていることが大きな問題だ。これにより本来できたはずの政策ができなくなってしまう、ということをしっかりと考えないといけない住民税の減収見通しが大きい20の自治体のうち、8つの区が入っている東京23区。特別区長会として制度の抜本的な見直しを求めている。今年度、23区の住民税の減収見通しはあわせて704億円にのぼる。今後、住民サービスの低下につながりかねないと強く指摘している。「住民が税金を負担し、その対価としてサービスを受けるという、地方自治や民主主義の根幹のあり方を、この制度が破壊してるからだ。この制度を導入した国の責任は重い」 ふるさと納税により、練馬区から流出した住民税は、年々増加傾向にあり、今年度は37億5000万円と、過去最高となる見通しだ。37億円という額は、練馬区の小中学校1校の改築にかかる平均の費用と同程度にのぼる。それでも練馬区では「過度な返礼品競争」に加わりたくないとして、返礼品を一切提供していない。制度がこのままでは、さらに減収が続く可能性があるが、今後どうしていくのか。.
この町が今年度集めた寄付額は約5億4700万円。(2023年2月末現在)「奥大山の水は本当においしく、ふるさと納税で多くの人に知ってもらった。地元にとっては誇りというか、自分たちの町には世の中から評価されるものがあるんだと、そういう自信にはつながった」 町が「水」に力を入れるきっかけとなったのは、水道から出る水がおいしいことに感動を覚えたという東京から移住した職員だった。「せっかくある宝の持ち腐れだな」と考えたこの職員は、「ふるさと納税で水を推していきたい」と提案。ただ、地元出身の職員からは「水で大丈夫か」と疑問の声も上がったという。 それでも、予算が限られる中で、ふるさと納税のサイトでの紹介を、移住者の職員を中心に自分たちで制作。写真や文字にも工夫を凝らし、水の魅力がPRできるよう取り組み、返礼品を取り扱う仲介サイトも大幅に増やした。町長が「手作り感」と表現する工夫で、寄付額の大きな増加につながった。 寄付による財源を生かして、町は、今年度から町に1校ある義務教育学校の給食の無償化を実現したほか、家庭学習を後押ししようと小学生から高校生までの子どもがいる家庭でWi-Fiを使ったインターネット使用料を補助するなど、住民サービスの向上につなげている。昨年度の決算ベースで、ふるさと納税による寄付額は、町の一般会計の歳入全体のおよそ10%に達したという。白石町長は、「ふるさと納税」について「制度がある以上、うまく使って町のためになるようにしたい」と考えている。 「町のことを知っていただくというのが前提なので、そういう意味でものすごく意味のある制度だと思う。ただ、あまり頼りすぎるのもいけないので、政策の基盤のところというよりは、どちらかというと、町の未来への投資になるようなことに、いただいた寄付を使っていくようにしたい」今までの地方創生はやはり国にやってもらってという意識が非常に強かった。そこに対して、ふるさと納税は自分たちで自走するんだって意識を植え付けた。地域の人にとって当たり前のことが、都市部の人から見たら魅力的だということは結構ある。最終的には地域に自信を取り戻す、これをふるさと納税という制度でうまくやっていこうということではないか一方、マイナスの影響と回答した自治体では何が起きているのか。制度の弊害の1つとして指摘されるのが、住民税の控除、つまり自分が住む自治体に納めるはずの税金が差し引かれることによる都市部からの税金の流出だ。最も多いのは横浜市で230億900万円。次いで、名古屋市が143億1500万円、3位は大阪市で123億5900万円などと、政令指定都市や東京23区が上位20自治体を占めていて、これらだけで、住民税の控除による減収の25%を占めている。税金というのは、その地域に住む人々にとって必要不可欠なことを行うためのもので、自治体の失政というわけでないのに、その税金が流出することを制度として認めてしまっていることが大きな問題だ。これにより本来できたはずの政策ができなくなってしまう、ということをしっかりと考えないといけない住民税の減収見通しが大きい20の自治体のうち、8つの区が入っている東京23区。特別区長会として制度の抜本的な見直しを求めている。今年度、23区の住民税の減収見通しはあわせて704億円にのぼる。今後、住民サービスの低下につながりかねないと強く指摘している。「住民が税金を負担し、その対価としてサービスを受けるという、地方自治や民主主義の根幹のあり方を、この制度が破壊してるからだ。この制度を導入した国の責任は重い」 ふるさと納税により、練馬区から流出した住民税は、年々増加傾向にあり、今年度は37億5000万円と、過去最高となる見通しだ。37億円という額は、練馬区の小中学校1校の改築にかかる平均の費用と同程度にのぼる。それでも練馬区では「過度な返礼品競争」に加わりたくないとして、返礼品を一切提供していない。制度がこのままでは、さらに減収が続く可能性があるが、今後どうしていくのか。
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