北陸電力・志賀原子力発電所が立地する石川県志賀町で最大震度7の揺れを観測した能登半島地震。地震で重大な原発事故は起きなかったものの、あの日、志賀原発近くの住民はどう行動し、何を思っていたのか
このため、敷地内には放射線や放射性物質を遮るコンクリート製の施設が備えられていたが、基本的には、避難することがかえって健康を害するリスクが高いとされる高齢者やその支援者のために用意されたもので、避難できるのは80人程度に限られていた。「私たちのような住民は車で避難できないし、家も壊れていたら放射線から逃れる手段もない。今のままだと原発の近くに住む人たちは、事故が起きたら座して死を待つ状況になってしまう。これまでの避難計画は机上のもので役に立たないことがはっきりわかった」一方、福島第一原発の事故のあとに原発で重大な事故が起きた際の対応を定めた「原子力災害対策指針」については、原子力規制委員会は能登半島地震の状況を踏まえても明らかな不備はなかったとして、指針自体を見直すことは考えていない。「行政がつくった避難計画を住民にさらして住民と議論することが、福島第一原発事故後の13年間で欠落していた。結果的に住民の要望が反映された避難計画になっていなかったのではないか。屋内退避や避難はあくまでも放射線から身を守る手段なので、それ自体を目的にするのではなく、その手段をどう確保していくかを地域ごとの特
このため、敷地内には放射線や放射性物質を遮るコンクリート製の施設が備えられていたが、基本的には、避難することがかえって健康を害するリスクが高いとされる高齢者やその支援者のために用意されたもので、避難できるのは80人程度に限られていた。「私たちのような住民は車で避難できないし、家も壊れていたら放射線から逃れる手段もない。今のままだと原発の近くに住む人たちは、事故が起きたら座して死を待つ状況になってしまう。これまでの避難計画は机上のもので役に立たないことがはっきりわかった」一方、福島第一原発の事故のあとに原発で重大な事故が起きた際の対応を定めた「原子力災害対策指針」については、原子力規制委員会は能登半島地震の状況を踏まえても明らかな不備はなかったとして、指針自体を見直すことは考えていない。「行政がつくった避難計画を住民にさらして住民と議論することが、福島第一原発事故後の13年間で欠落していた。結果的に住民の要望が反映された避難計画になっていなかったのではないか。屋内退避や避難はあくまでも放射線から身を守る手段なので、それ自体を目的にするのではなく、その手段をどう確保していくかを地域ごとの特性にあわせて考える必要がある。そうしたきめ細やかなフォローアップを国の方でも考えることが今後ますます必要になる」
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