志学館が東海大浦安を破り、ベスト8に進出した。主将の久保山武蔵(3年)は1安打2犠打で勝利に貢献。持ち味の長打は出なかったが、笑顔で声を出し、チームを快勝に導いた。政志監督(44)は父。同校30年ぶ
りの甲子園へ親子で挑んでいる。
武蔵が高校受験を考える時、既に父は志学館の監督だった。父は「親子だから違うところに行った方がいい」と志学館への進学を勧めなかったが、武蔵には同校を志望した。理由は監督の兄・孝志さん(47)の存在。志学館が30年前に唯一甲子園に行った年の遊撃手だ。武蔵は叔父である孝志さんに憧れ、志学館で甲子園に行きたいという強い思いから、猛勉強の末合格を勝ち取った。 入部してからは時折、家でぎこちなくなることがあった。生活面での態度などを注意され、家に帰りたくない日も。中学からチームメイトの双子、中山煌太(3年)と瑛太(3年)の家に泊まりに行き、プチ家出を何度か経験した。2年生になると、野球の実力がについた。監督は当時のことを振り返る。「完全に仲間からレギュラーと認められたことによって、特別扱いではないということを周りの選手も納得してくれた。そこからは監督と選手、家に帰ったら親子と分けられるようになった」。徐々に良い関係を築けるようになった。
母・裕美さん(45)も「本当に普通の仲が良い親子。どちらかというと息子が旦那をどついたり、家では逆の立場になって。でも野球の話になると一気に切り替わる。一言言うだけで、急に監督とキャプテンになるから、なんでか不思議で」と驚く2人だけの関係性。監督は学校では社会科の先生という一面も持つ。武蔵の成績がふるわない時に「これから政経の授業を始めます」とリビングで授業をすることもあった。当の監督は息子との関係性について「何が正解なのか2人ともわかっていない」と言及しつつ、「私の前でも最近はのんびりしている。最後に来ていい形にできたかな」と語る表情は父の顔だった。 目指すは甲子園。前回出場した孝志さんは「30年ぶり2回目の出場をぜひ。久保山政志と武蔵でやってほしいです」とエールを送った。親子にとっても共にプレーをするのはラストシーズン。武蔵は「悔いの残らないように。今まで(父に)指導されてきたので、その恩返しができれば」と意気込んだ。一族の思いを背負い、甲子園まであと3勝だ。(臼井 恭香)
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