ホーム開幕戦で昨季のセ・リーグＭＶＰが、まさかの船出だ。阪神・村上頌樹投手（２５）が立ち上がりから４失点で３回ＫＯ。今季初登板で「緊張感はありました。四球をいきなり出して、リズムも悪かった。力んでし
まった」とのまれた。２３年はポストシーズンを含め、２４度の先発で１度も失点がなかった初回。先頭の度会への四球から一気に崩れた。
岡田監督も「珍しい？ 初めてやろ」と苦笑いしたプレーボール直後の投球。１死一、三塁を招き、牧の三ゴロを佐藤輝がはじいた。正面の速い打球。十分に併殺を狙えたが、失策で先制点を献上した。過去１０年の規定投球回到達者で唯一の記録だった“ゼロスタート”が崩壊した右腕は、さらに２死満塁から山本に走者一掃の三塁打。自己ワーストタイの１イニング４失点に「山本選手への投球次第でゲームの流れも変わっていた」とうなだれた。 ３回に３安打で追加点を献上。直後の攻撃で代打を送られた。５失点も昨季１度もなく、新人だった２１年以来の自己ワーストタイ。指揮官は佐藤輝の失策も「ゲッツーやろ」と苦笑い。「そら、そうなるわな。あそこだけ（やっと）低い球がいったから」と立ち直りのきっかけを失ったことも指摘しつつ「まさか初回４点と思ってない」と誤算を認めた。長いイニングを投げられる安定感を買って６連戦の初戦を託したが、救援陣を投入する結果になった。
この３連戦は「チャンピオンユニホーム」を着用。文字やマークを金色で彩り、日本一の誇りを示すが、その象徴が沈み、最下位に転落した。リーグ戦では昨季８戦全勝、２２年途中から９連勝した京セラＤでの不敗神話もストップ。昨季は４連勝で発進した開幕から１勝３敗は、前任時代の５年間を含めた岡田阪神のワーストだ。（安藤 理）
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