政府の予算の膨張傾向に歯止めがかからない。各省庁からの2024年度予算の概算要求が締め切られ、一般会計の要求総額は過去最大の114兆3852億円となった。 金額を示さない「事項要求」も多用されており、本来なら要求を絞り込んで年末に決まる当...
金額を示さない「事項要求」も多用されており、本来なら要求を絞り込んで年末に決まる当初予算額は、要求総額を上回る可能性が高い。税収で足りない財源を大量の国債で穴埋めする収支構造が続き、財政状況は一段と悪化しそうだ。
岸田文雄首相は、6月に閣議決定した経済財政運営の指針「骨太方針」で、大規模な財政出動を余儀なくされた新型コロナウイルス禍の局面から転換し、歳出構造を平時に戻していく方針を示していた。それと逆行するような流れである。 国債の大量発行に頼るいびつな財政が続けば、将来世代に重いつけを回すことになるのは言うまでもない。政策の硬直化、国債や通貨の信用度低下などの弊害も招きかねない。財政運営の比重を、規律重視に寄せるべきではないか。 予算膨張の主な要因のうち、社会保障費は少子高齢化が進む中でやむを得ない面があろう。だが、23年度当初予算より1割以上多い7兆7385億円を計上した防衛省の要求額はどうか。事項要求もあり、実際はさらに上積みされる可能性が高い。
5年間で約43兆円を投じるとする防衛力整備計画の2年目に当たり、それに沿ったのだろう。ただ、そもそもが「額ありき」とされる計画であり、装備の必要性に疑問が呈されている。財源もあいまいなままだ。要求内容が精度を欠いていれば厳しい目で見られるのは当然だ。
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