報徳学園（兵庫）が健大高崎（群馬）に逆転負けし、１９３２、３３年の明石中（兵庫）以来、９１年ぶり２度目の２年連続準優勝に終わった。今秋ドラフト上位候補右腕の今朝丸（けさまる）裕喜（３年）が３失点で完
投したものの、５、６回の好機を逃し、２２年ぶり３度目の優勝はならなかった。
“逆転の報徳”は、またも決勝の舞台で鳴りを潜めた。１点を追う９回２死一塁、代走・西川成久の果敢な盗塁で一打同点のチャンスを作るも、１番・橋本友樹が空振り三振に倒れ、２年連続準Ｖで終幕。大角健二監督（４３）は「去年は半分、これからの自信にしたいと思えましたけど、今年はその経験を生かして、日本一にはこだわったつもりだった。悔しさ１００％」と、歓喜に沸く健大高崎ナインを見つめた。 指揮官が悔やんだのは、１点ビハインドで迎えた６回の攻撃だった。無死一、三塁の好機で、これまで貫いてきた“１点ずつの野球”が揺らいだ。「向こうの打者の反応が（良くて）今朝丸に４（失）点くらい覚悟しないといけないと感じた。一気に２点と欲が出た」。下位打線でもスクイズや小技を用いず、強攻策に出たが、７番・徳田拓朗が空振り三振。２死から今朝丸も見逃し三振に倒れ、無得点に終わった。
新チーム発足当初は、関東遠征で、東海大相模（神奈川）に７―０で打ち勝つなど、計６試合で４３得点。ただ公式戦に入ると、陰りが見え始めた。新基準バットが導入された今大会は、５試合で４３安打中、長打は３本。盗塁１０、犠打１３と小技を絡めたものの、長打３本以下でＶなら５９年中京商の３本（二塁打３）以来、１０度目の珍事だった。大角監督は「（敗因の）１つは長打力。打撃を変えるつもりはないが、しっかり捉えないと長打も生まれない」と反省を口にした。 課題は浮き彫りになったが、今朝丸、間木の両右腕の目覚ましい成長は夏への手応えとなった。大角監督が「比較すると意識が低い」と、現オリックス・堀が主将だった前チームと常に比べられてきたナインは、しっかりと肩を並べた。「もっと厳しく、夏に向けてやっていきたい」と間木。スローガン「常勝～苦しまずして栄光なし～」の文字通り、目の前で日本一を逃した苦しみを持って夏、必ず聖地に戻る。（瀬川 楓花）
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