報徳学園（兵庫）が健大高崎（群馬）に逆転負けし、１９３２、３３年の明石中（兵庫）以来、９１年ぶり２度目の２年連続準優勝に終わった。今秋ドラフト上位候補右腕の今朝丸（けさまる）裕喜（３年）が３失点で完
投したものの、５、６回の好機を逃し、２２年ぶり３度目の優勝はならなかった。
三塁側アルプススタンドに一礼したナインの中、今朝丸は１人、顔を上げることができずに涙を流した。「優勝を取ってきてと言われていたのに、それができなくて…」。立ち上がりに苦しみ、初回に失った２点と、３回１死三塁で許した勝ち越し打を悔やんだ。 その後は尻上がりに調子を上げ、８回にはこの日の最速１４９キロをマーク。８回６安打３失点と試合をつくった。「大舞台で強豪校に投げて、メンタルが強くなった」。愛工大名電（愛知）や大阪桐蔭など計４試合、２８７球を投げて防御率は１・８５。「勝負にこだわっていた。エースに近づいているのは間違いない」と、大角監督も試合を追うごとに信頼を高めていった。 閉会式後に指揮官からもらった「この景色を覚えておけ」という一言を胸に刻んだ。「１番をつけたい気持ちはある。日本一を意識して練習してきたい」。背番号１０のプロ注目右腕は立ち止まることなく、視線をさらなる高みへ向けた。（瀬川 楓花）
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