米連邦準備制度は既に経済を失速させるのに十分な水準まで金利を引き上げたため、米国がリセッション(景気後退)に陥る確率は高まっていると、キャンベル・ハーベイ氏が指摘した。同氏はイールドカーブのリセッション指標としての役割についての研究で知られている。
米当局の利上げサイクルからの打撃は既に生じており、多くの投資家やエコノミストは現在、バラ色のメガネを通して物事の状態を見ているにすぎないと主張した。
同氏はインタビューで、「われわれが今しているのは、経済ニュースにできる限り前向きなひねりをかけることだ」とし、「状況は落ち着いているように見え、地銀危機は過ぎ去ったように思われるが、これは恐らく嵐の前の小康状態に過ぎない」と語った。 イールドカーブについてのハーベイ氏の研究はウォール街で高く評価されている。それによると、米国のリセッションは何十年にもわたり、米国債の3カ月物利回りが10年物を上回るイールドカーブ逆転の後に起きている。1968年以降の8回のリセッションは全てそうだったという。現在の逆イールドは今後の景気後退の可能性が高いことを企業や消費者に対し警告していると同氏は述べた。 しかし、積極的な利上げに対して米経済は驚くほどの耐性を示し、しばしば浮上する差し迫った景気後退予想を裏切っている。市場は現在、連邦公開市場委員会(FOMC)が今月14日に利上げを見送り、次の動きは7月になる公算が大きいとみている。 「重要なことは、金融当局は仕事が終わったとして舞台を降りる必要があると私が言った時に、それが起こらなかったことだ」と同氏はインタビューで話した。「そして、高金利によって、銀行システムの緊張という因果関係の2つ目の経路が生まれた」と続けた。...
ハーベイ氏はさらに、逆イールドの期間はリセッションの長さの「予測に非常に役立つ」ことを発見したという。過去8回の3カ月物と10年物の逆イールドの期間は平均で11カ月、その後のリセッションは平均で12カ月続いた。「現在の逆イールドは極めて大きいので正常に戻るには時間がかかるだろう」と同氏は述べた。 逆イールドは過去のリセッションシグナルとしての実績があるために、それ自体が自己実現する予言となることもあり得る。例えば、企業が大きなプロジェクトや購入を中止したり、縮小させたりしかねない。「このシグナルが人々の行動に影響を与える」とハーベイ氏は話した。 ハーベイ氏は米連邦準備制度が利上げを停止すべき理由として消費者物価上昇が和らいだことを挙げる。過去10カ月について見るとインフレ率は3.3%程度で当局の目標からそれほど離れていないと同氏は指摘。利上げを「停止する理由だ」と述べた。
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