袴田巌さん(88)の支援活動の一つに釈放後の生活を手助けする「見守り隊」がある。取り調べの影響からか、男性を拒絶しがちな袴田さんを、唯一の男性隊員として支える清水一人さん(75)は「普通の市民生活を取り戻し、余生を過ごしてほしい」と語る。
清水さんは青果の中卸業の会社に勤めながら、1982年から支援団体の集会に参加。2014年の袴田さんの釈放と、自身の定年退職の時期が重なり、以降、見守り隊の隊員として袴田さんの散歩やドライブに同行するなどしてきた。
だが、袴田さんとの距離を縮めることは難しかった。袴田さんが自身の足で散歩していた頃、同行しようと「ボディーガードですから」と声を掛けると、「冗談じゃない。俺の方が強いんだから」ときっぱり断られた。20年ごろに散歩からドライブに切り替わっても、袴田さんは清水さんの車には乗ろうとしなかった。 袴田さんの女性への態度と男性への対応は、釈放当初から違った。男性不信は、逮捕当時に受けた取り調べや、長期に及んだ拘禁が影響している可能性があるという。ただ、袴田さんは交番の前を通ると、必ず警察官にあいさつしており、清水さんは「1番ひどいことをされたのは検察ではないか」と分析する。 そんな2人の距離が縮まったのは21年3月だ。ドライブに出掛ける際、袴田さんは、すんなりと清水さんの車に乗り込んだ。浜松駅で降り、好物のアイスクリームを買いに売店に行ったが、普段は自分の分しか買わないのに、この日は二つ購入し、一つを「はい」と清水さんに差し出した。
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