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「仕事の経験から学んでください」の向こう側。パフォーマンスにつながるOJT・経験学習の急所。Maxwell’s HOIKORO/ HYAKUNENが「OJT・経験学習」の実態調査レポート前編を公開

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「仕事の経験から学んでください」の向こう側。パフォーマンスにつながるOJT・経験学習の急所。Maxwell’s HOIKORO/ HYAKUNENが「OJT・経験学習」の実態調査レポート前編を公開 株式会社 Consulente HYAKUNENのプレスリリース

「OJT・経験学習」への違和感 【前編】私たちは日々、何かに取り組んでいます。日々の積み重ね一つ一つが経験として整理され、その一つ一つを後から振り返ると、確かに、何かを得てきて今に至るのだなと感じられます。経験と学習、二つの言葉が交差し、「日々の小さな発見を振り返れば、大きな学びになる」といったことも周囲からよく聞かされてきました。加えて、「無駄なことなんて、この世に何一つない」といったポジティブな価値観が重なると、日々の経験から得られる学びの重要性は疑うべくもない、強固なものであるように感じられます。このことは、決して間違いでは無いはずです。ただ、人や組織への介入を念頭において「人は仕事の経験から学ぶものだ」、と大雑把に結論付けて良いのでしょうか。「人は仕事の経験から学ぶのだから、社員の教育は現場に任せている」。私たちはたくさんの企業で、こうした理屈がまかり通っている状況を見聞きしてきました。仕事でも、プライベートでも、私たちは刻々と経験を積み重ねていきますが、なぜだか同じ失敗を繰り返してしまったり、いつの間にか堂々巡りの穴に陥ったりします。同じ職場で同じ作業をしていても、成長が早い人と遅い人も出てきます。 「経験から学ぶ」という当たり前のことは、余りに当たり前過ぎ、私たちはその深遠な困難さを見過ごしているのかもしれません。放っておいても経験から学ぶことができるのなら、きっともっと人や組織は、今よりも上質なものになっているのではないか。こうした思考を重ねていくと、ただ教育を現場に任せることの有効性は確かでないように思われてきます。 今回もまた、私たちの調査結果から、前編と後編に分けて、「OJT・経験学習」の実態を明らかにします。以下からは、前編部分「決められた役割を果たせる人材を育てるためのOJTとは?」を主題に、議論を進めます。日常の仕事の中で実践的な学びを柔軟かつ即時的に得られるOJTは、決まったタイミングで職場の外において行われる研修に比べて、変化の激しいVUCAの時代に適した学びだと言われています。しかし、インフォーマルな学びだからこそ、現場や個人任せになりやすく、その実態が見えにくいのも現実です。 人材不足や働き方改革等を理由として、上司や先輩がタスクの処理に追われてしまう結果、部下や後輩の教育に投じる余力がなくなることで、OJTが効果的に行われていないというケースも少なくありません。人事部としては、このような現状に対して何らかの対策を打つ必要があると思いながらも、ビジネスや現場についての具体的な知識や経験を持ち合わせてないため、現場の上司に対して具体的なアドバイスを行うことが難しい。そんな背景の下で、救世主の1つとなったのが経験学習理論だと言えるかもしれません。経験→観察→抽象化→実践→経験→・・・というサイクル・モデルは、どのような業種・職種でも有効だと言えるほど、高度に一般化・抽象化されたモデルです。ですので、ビジネスや現場についての具体的な知識・経験を持ち合わせていなくとも、そのモデルを教えること自体に価値があるというわけです。 しかし、経験学習の理論から導かれる「経験を振り返りましょう」等の一般的なアドバイスに対しては、「現場のOJTの強化につながったと言えるのだろうか」というモヤモヤした違和感が残るという声も聞くことがあります。 確かに「振り返りワークショップ」等を開催すれば、「学んだ」という実感や満足感を幾ばくか得ることはできるでしょう。しかし、そのような「振り返り」と「学習」が、現実のパフォーマンスの向上に貢献するようなものであるのかと問われると、自信を持って答えるのはなかなか難しいように思います。仕事におけるパフォーマンスの向上につながるような水準で、学習が起きているかと言うと、まったく別の話なのです。 では、パフォーマンスに繋がるOJTを行う上では、何がポイントとなるのでしょうか?人事部門として、現場の上司に対して、どのようなアドバイスをすべきなのでしょうか?今回も、約1,000名のビジネスパーソンを対象とする調査・解析の結果を通じて、それらの問いに答えていきたいと思います。【図1】「観察」は、役割遂行のパフォーマンスが高い状態にある社員であればあるほど、育成・成長に対するインパクトが強くなります。また、パフォーマンスの低い社員には、「実践」によるインパクトが強くなります。それらと比べて、「経験」と「抽象化」は、パフォーマンスの高低にかかわらず、育成・成長に対するインパクトが強くありません。 図1を見てください。このグラフは、特殊な分析手法を用いて、「期待された役割を効果的に遂行できる人材」を育てるために、「経験学習のどのステップが鍵となるか」を解析したものです。グラフ内の4つの線のそれぞれが、経験学習の4ステップを意味します。縦軸は、「期待された役割を効果的に遂行できる人材」の育成・成長に対して、各ステップが与えるインパクトの大きさを示しており、線が上に位置すればするほど、そのステップが育成・成長に大きな影響を与えることを意味します。それに対して横軸は、その社員の現時点での役割遂行のパフォーマンスの高さを示しており、右に行けば行くほどハイパフォーマーであることを意味します。赤色の線は、経験学習のうち、「観察」を表しています。この赤色の線が右上がりになっていることが分かると思います。これはつまり、経験学習の「観察」のステップが持つ人材育成に対するインパクトが、「どんどん強くなっていく」ことを示しています。ここでの「どんどん強くなっていく」とは、「ある社員が役割遂行できるようになればなるほど、『観察』の重要さが高まっていく」ということを意味します。赤色の線の一番左端は、「現時点での役割遂行パフォーマンス」が「低」い状態です。より具体的には、期待された役割をまだ果たせない状態にある社員を示しています。そういった社員にとって、「観察」が成長に与えるインパクトは、0.

3を下回っています。それに対して、赤色の線の一番右端は0.4に近い高さまで到達しており、「現時点での役割遂行パフォーマンス」が「高」い状態です。このことから、決められた役割を果たす能力を身に着けていると認められる社員が、より一層成長するためには、「観察」が大きなインパクトを持つということが分かります。 次に目を引くのが、黄色の線が右下がりになっている点です。これは、経験学習の「実践」のステップが育成に対して与えるインパクトが、次第に弱くなっていくことを表しています。つまり、「役割遂行できない社員にとって『実践』は重要。しかし、役割遂行できるようになっていくにつれて、その重要さは小さくなっていく」のです。決められた役割を果たすことができるようになってきたならば、目の前の仕事に集中し過ぎるのではなく、先輩等の周りの社員の仕事ぶりを観察していくことが、成長にとってより不可欠になる。 図1を改めて確認すると、「観察」や「実践」と比較して、「経験」や「抽象化」が低い位置にあることが分かります。「経験」や「抽象化」が育成・成長に対して強いインパクトを持たないという結果は、非常に興味深い事実だと言えるでしょう。なぜなら、「具体的な経験を蓄積すること」と「抽象化する中で教訓を得ること」、これらは「振り返り」という言葉で一括りにされ、その重要性が日常的に語られているからです。私たちはよく、職場での実践的なアドバイスとして「振り返りが大切」「振り返りをしましょう」と伝え、教えることがあります。まだ仕事を覚えていない社員にとって、求められるのは「やること<実践>」です。そして、ある程度仕事を覚えてきた社員に求められるのは「見ること<観察>」なのです。【図2】「実践」(縦軸)が最も高くなるのは、一番右側のグラフです。実践することの目的や目標に対する部下のコミットを高め、彼等が取り組みの中で周りの社員と対立しないようにすることで、「実践」を促すことができます。しかしその一方で、今の時代、「つべこべ言わずにやれ」「背中を見て学べ」といった教育方針は、特に若手社員を対象とする場合、現実的には厳しいのも事実です。図2は、社員の「実践」、図3は「観察」を促す上で、上司に求められる役割を解析した結果です。 結論を先取りするならば、部下に「やれ」という場合には、上司に十分な準備が必要になります。まずは目的や目標を明確に伝え、部下の納得を得ること。その上で、部下が実践するその最中で、周囲の人と揉めるようなことがないようにケアすること。「見ろ」と言う場合には、観察した内容を見よう見まねでやってもよいという権限を部下に対して与えること。その上で、部下のトライした結果がたとえ失敗したとしても、それを許容するということ。そのようなことを、上司ははっきりと職場で示す必要があります。 もう少し詳しくそれぞれのグラフを見ていきましょう。図2の縦軸は部下の「実践」の量を示しています。一番右の棒グラフが最も高いということは、目標に対する部下のコミットを高めた上で、部下が対立に巻き込まれないようにする。そのことを通じて「実践」が促されることを意味します。逆に、残りの3つの棒グラフの低さは、目標のコミットがない場合と、たとえ目標について部下が納得していたとしても、取り組みの最中に職場で対立が生まれてしまうような場合に生じます。そのような状態のとき、彼等 は「実践」を試みなくなってしまうのです。図3の縦軸は社員の「観察」です。ここでも同様に一番右の棒グラフが最も高くなっています。権限移譲とトライ・アンド・エラーのいずれが欠けても、「観察」が阻害されることが分かります。 「やれ」と言うだけではなく、その目的を説明して周りと揉めないように守る。「見ろ」というだけではなく、試すことや失敗することを明確に認める。このような配慮は、伝統的なOJTの議論の中ではあまり重視されてこなかったかもしれません。しかし、決められた役割を正確かつ効果的に果たすことを若手社員に求めているのであれば、「実践」と「観察」が何よりも重要であり、それ促す上司の行動にアップデートが必要なのです。 ここまでは、決められた役割を担えるようになるためには、経験学習の「実践」と「観察」のステップが特に重要となること、そして部下に「実践」と「観察」を促す上司の具体的な振る舞いや行動を明らかにしました。一般的に経験学習というときに私たちが想起する「振り返り」は、実は全く重要ではないという驚きの事実が明らかとなったのです。 では、「振り返り」はOJTにとって全く意味がないのでしょうか。実は、決められた役割の遂行を超えて、環境の変化に効果的に適応したり、自ら変化を生み出したりできる人材となるためには、「振り返り」が重要な役割を果たします。 私たちの行った調査からは、そうした結果が確認されました。一般論として、重要だと伝えられる「振り返り」を超えて、「より具体的にどのような『振り返り』が求められるのか」については、【後編】で議論していきましょう。

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