スマートフォンや電気自動車など、現代の多くの電化製品には充電可能な「リチウムイオン電池」が用いられています。多くの需要に伴い、材料となるリチウムの枯渇や価格高騰などの問題が発生することから、リチウムに代わる二次電池の探求が進められている中、「亜鉛空気電池」と呼ばれる電池について、新たな知見が得られたと研究者が明らかにしました。
リチウムイオン電池は一般的に、負極に炭素系の素材を置き、正極に金属酸化物を置いてリチウムイオンを往来させて電力を得ています。亜鉛空気電池は負極に亜鉛を使い、正極に外部から取り込んだ空気中の酸素を使うことで電力を得るもので、材料が安価なことからリチウムに代わる手段としての可能性が期待されていますが、電圧が低いという問題を抱えています。この材料を用いた亜鉛空気電池は、1.48Vという高い開路電圧を示し、充放電中に電流密度5mAcmで0.77Vという低い電位差を実現したとのこと。別の素材では、高い電位差により安定性が保たれないことが確認されていますが、アズハル氏らの材料では、最大950時間以上安定した性能を示したとのことです。
アズハル氏は「新しい設計は非常に効率的で、電池の内部抵抗を抑制し、その電圧は理論電圧に近く、高い電力密度と超長時間の安定性をもたらします」と語り、「この画期的な技術はエネルギー貯蔵業界に革命をもたらすだけでなく、持続可能な社会の構築、化石燃料への依存度の低減、環境への影響の緩和に大きく貢献します」と続けました。
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