<前作で張り巡らされた謎と世界観が、見事に実を結んだ『デューン 砂の惑星PART2』、重層的な原作SFの映画化がついに成功した(かも)> 神権政治の下での独裁、植民地での暴力、資源抽出の無慈悲な経済学...
神権政治の下での独裁、植民地での暴力、資源抽出の無慈悲な経済学──ドゥニ・ビルヌーブ監督の『デューン』2部作には、その全てがある。作品に深みを加えるためにアクションの合間に挟む曖昧な寓意としてではなく、まさに物語の核として。
第1部『DUNE/デューン 砂の惑星』で、競合する複数の公家が支配する宇宙帝国という広大で複雑な世界を現出すべく、ビルヌーブは至る所に(人によっては疲弊するほどの)目配りをした。『デューン 砂の惑星PART2』では、それが見事に実を結んでいる。 原作であるフランク・ハーバートの小説は、SF分野のスペキュレイティブ・フィクションの草分け的存在だ。ビルヌーブの映画版は、記憶にある近年のSF大作のどれよりもその伝統に近い。集団的信念体系や権力闘争と同時に、人物や彼らの関係を描く作品であり、個々の人間模様をおろそかにしていない。だが称賛すべきことに、暗いムードと謎に満ちて膨らみ続けた第1部で、ビルヌーブは自らに課したタスクを徹底的に遂行していた。緻密につくり上げた世界は今や準備万端で、破壊をもたらす壮大な戦いへ突き進もうとしている。
第1部には、主人公でアトレイデス公爵家の跡取りのポール(ティモシー・シャラメ)が、砂漠の惑星アラキスの地理や文化について「3次元ドキュメンタリー」を見る場面など、解説的要素が存在した。一方、第2部は説明も復習もなしに、第1部が終わったところから話が始まる。ポールと母親レディ・ジェシカ(レベッカ・ファーガソン)は、アラキスの先住民である砂漠の民フレメンと一緒にいる。ポールの父親とアトレイデス家の一族は既に、ハルコンネン男爵(ステラン・スカルスガルド)を当主とする宿敵ハルコンネン家の陰謀によって死んでいる。物語の背後には、レディ・ジェシカも一員である惑星間の女性秘密結社、ベネ・ゲセリットの存在がちらつく。彼女たちは高度なマインドコントロールや微妙な説得術を駆使して、さまざまな人物の決断に影響を与える。帝国内の対立を傍観する年老いた皇帝(クリストファー・ウォーケン)も、ベネ・ゲセリットに加わる娘の皇女イルーラン(フローレンス・ピュー)の政治的見識が頼りだ。
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