イェール大学で色彩の授業を行うアルバースと学生。1952年 撮影者不詳 ジョセフ&アニ・アルバース財団 Courtesy of the Josef and Anni Albers Foundation...
個人的な話で恐縮だが、僕がジョセフ・アルバースのことを最初に意識したのが、アーティストのドナルド・ジャッドの部屋に掛けられていた一枚のアルバースの絵を見た時からだった。しかも彼だけではなく、ロサンゼルスのチャールズ&レイ・イームズ・ハウス、そしてメキシコのルイス・バラガン邸のリビングにもアルバースの絵が飾ってあるのを見つけ、「いったいこの画家はなにものなのだ!」とそれ以来アルバースのファンになっていったというわけだ。
ドイツ生まれのジョセフ・アルバースは初期のバウハウスで学び、そこで教え、アメリカに渡った後もブラックマウンテン・カレッジとイェール大学で教壇に立ち続けた。その一方で『正方形讃歌』という絵画シリーズを26年間も制作し続けたことでも知られる現代アート界の重鎮である。複数の異なる色彩の正方形を規則正しく配置した『正方形讃歌』は一見素っ気ない幾何学絵画なのだが、そこには彼の長年にわたる色彩研究への取り組みが反映されていた。このシリーズは全部で2000点ほども制作されたというが、それぞれ作品の裏側には色や制作過程に関するメモが克明に書き残されているらしく、そんな几帳面なところもアルバースが長く教授であり続けたことに多かれ少なかれ関係していたはずだ。
年代別に4章の構成によって紹介する日本初となる回顧展は、画家としてのアルバースの歩みを振り返るだけでなく、展覧会のタイトルが示すように教育者という側面にもスポットライトを当てている。ロバート・ラウシェンバーグを教えたことでも知られるアルバースだが、バウハウス仕込みの実験的な授業を捉えた写真や映像、そして当時の学生たちの作品も展示され、ワークショップ・スペースも常設されるという。
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