ルイ・ヴィトンとNIGO®が協力し、2025-2026年秋冬メンズコレクションを発表。日本の伝統を感じさせるデザインや、成熟した大人の装いを表現するアイテムが注目された。
火曜日の夕方(現地時間)、パリ・ ファッション ウィークを訪れたメンズウェア関係者は、オーラリーが手がけるエレガンスと気品の殿堂から、 ルイ・ヴィトン のメンズショーへとなだれ込んだ。出席すべきショーが立て続けに行われるのは、体に堪えるものだ。 東京を拠点とするオーラリーは、どこまでも気取りのない岩井良太によるカルト的人気ブランドで、アーティザナルな雰囲気の普段着という飽和状態にある分野において、その洗練されたノンシャランスで大成功を収めている。一方、ファレル・ウィリアムス率いる ルイ・ヴィトン は、絶対に手に入れなければと思わせる服でビッグなビジネスを展開している。 抑制された大人なラグジュアリー 『ファイナルファンタジーVII』のテーマ曲のオーケストラ演奏に合わせて、モデルたちが学校の制服のようなツイーディなテーラリング、職人技が光るデニムのセットアップ、スエードのボンバージャケット、さりげないブーツカットのパンツなどに身を包んでランウェイに登場したときは、少々驚いた。 このショーは、ケンゾーのクリエイティブ・ディレクターでア ベイシング エイプ®の創業者、そして「ストリートウェアのゴッドファーザー」とも称される NIGO® とファレルの20年以上にわたるパートナーシップを祝うものだ。コレクションを一緒にデザインしたふたりは、いずれも文化的キュレーターの巨人であり、幅広く活動を続けるマルチタレントである。だから、ふたりのコラボレーションからは最高レベルのハイプが惹起されると期待されたのだ。 しかしこのコレクションは、決してクワイエット・ラグジュアリーというわけではないものの、私たちが事前に予想したようなものとは趣が異なった。肩まで髪を伸ばしたモデルのひとりは、クロップド丈のブルーのブレザーにブラウンのカーディガン、フレアジーンズに白シャツとネクタイという、いわゆる“もうひとつの ファッション ウィーク”からやってきたようなスタイルだった。 ストリートウェアの終焉を宣言するのは時期尚早だったかもしれない。多くの服が控えめな色使いと軽やかな質感、そして少しオーバーサイズに仕上げられている現在のメンズ ファッション 市場では、これまで以上にそれを打破する余地があるからだ。しかし、ヒップホップというサブカルチャーから生まれたスタイルを世界的に広めたふたりの立役者、ファレルと NIGO® も大人になったようである。彼らの住む世界と関心は広がったが、お互いに共通する美学はより抑制されたものになった。 しかし、そんなファレルと NIGO® が手を組んでも、その驚異的な影響力が弱まることはない。LVMHがバックに付いていればなおさらだ。彼らは会場に地球上で最大の美術館であるルーヴル美術館を選び、その中庭にテント張りの劇場を設けた。外には、美術館のランドマークであるガラスのピラミッドの暖かな光に照らされた4つの撮影スポットが設置され、エントランスに向かって流れてくる大勢のVIPゲストたちに対応した。 エイドリアン・ブロディがトラヴィス・スコットとつるんだり、村上隆が新進気鋭のラッパーたちとセルフィーを撮ったり、J-HOPEとその一行がナイキの重役たちの横を通り過ぎたり、NFLのスター選手たちがブルックリンの俳優、エボン・モス=バクラックと握手したりするようなイベントを演出できるデザイナーが、ファレルや NIGO® のほかにいるだろうか? ショーの直前にトランプ大統領就任式からジェット機で駆けつけたばかりのLVMHの会長ベルナール・アルノーは、身長221cmあるサンアントニオ・スパーズのセンター、ビクター・ウェンバンヤマの隣に座った。 日本の伝統 からのさりげない引用 ショーの前後とも、ふたりのデザイナーのコメントは得られなかったが、コレクションはふたりの化学反応を感じさせるものだった。ファレルは、 NIGO® のことを日頃から「GOAT(最高の人物)」と呼び、はっきりと敬意を表している。 ルイ・ヴィトン がヴァージル・アブローの後任を探していたとき、ファレルは彼を推薦したほどだ。 モデルたちが桜のような艶やかなピンクのランウェイを闊歩すると、 NIGO® がファレルの嗜好する過剰さをいくらか中和していることがすぐにわかった。昨シーズンのコレクションがキャビアと金箔の舟盛りのような ファッション だったとすれば、今回は上品(かつ非常に高価)なおまかせコースのように感じられた。 日本の服からの引用も随所に見られた。絹のような茶色の着物風ブレザーや、日本の職人にインスパイアされた控えめなワークウェアのセットアップなどがそうだ。日本製の上質なジーンズの特徴である表情豊かな織り目(デニム愛好家なら誰でもわかる)のデニムや、藍染めのぼろで作られたダッフルバッグなど、日本の職人技に着想を得たものもあった。肉厚なレザージャケットの数々は、ファレルが魅了された東京のロカビリー族を思い起こさせた。 とはいえ、派手さがなかったわけではない。ヒッコリーストライプのワークジャケットには手刺繍のクリスタルが散りばめられ、モデルが歩を進めるたびにキラキラと輝いた。丈夫そうなコットンのように見えるベースボールジャージも、実はレザーでできている。また、鮮やかなピンクに彩られたダミエ柄のスーツもコンサバティブからはほど遠く、 NIGO® の博物館級の私服アーカイブに着想を得たクージー風のニットもただ レトロ というだけではない。 演出からは、過去に敬意を払いつつも、そこから脱却したいという思いが読み取れる。ランウェイ上には、中の見えない背の高いガラスケースが24並んでいた。ショーの最後には、中身を隠していたスモークガラスが透明になっていき、コレクターとして、またクリエイターとしてのファレルと NIGO® の思い出の品々を集めた膨大なコレクションが姿を現した。 ファレルの特注ゴールドケースのブラックベリーを含むその大部分は、彼のオークション・プラットフォームJoopiterによって今月末に売却される予定だ。両デザイナーとも過去のヒット作の復刻には興味がないようだが、「Buttersoft」と名付けられた大ぶりのスニーカーはふたりのブランド、ICECREAM(アイスクリーム)で手がけたものを思い起こさせるし、コーチジャケットはビリオネア・ボーイズ・クラブの全盛期を彷彿とさせる。 スニーカーに注目が集まっているかもしれないが、今回のジャケットはウエストをクロップド丈にし、肩を高く、腕を細くカットしている。ファレルが最近夢中になっている、ドレッシーでダンディなシルエットだ。 ファレルが技巧を凝らすと、美しい服ができあがる。数十万円の値札がついていたとしても、それに見合うサヴォアフェールが注がれた、日常生活で活躍する姿を思い浮かべることができる服だ。クワイエット・ラグジュアリーではないが、成熟した大人の装いである。 それでも、私がこのショーで最も素晴らしいと思った瞬間は、日本の江戸時代の火消を思わせるニットジャケットを着たモデルが、ちょっと不可解なことにロブスターの形をしたバッグを持って通り過ぎたときだった。わかりやすく日本に言及したものではない。プレビューの際には、ふたりが釣りに出かけたことに関係していると言われたが、その意味はあまりはっきりしなかった。どうやら内輪ネタの産物らしい。 友人同士の仕事は、それだけ楽しいものだということだ。 【写真96枚】 ルイ・ヴィトン による2025-2026秋冬メンズコレクション全ルックおよび来場セレブをチェック! From GQ.
COM By Samuel Hine Translated and Adapted by Yuzuru Todayama
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