現代アーティスト藤嶋咲子による個展「WRONG HERO」TRiCERAのアートギャラリー「9s Gallery」にて2024/10/19(土)〜10/27(日)の期間に開催 株式会社TRiCERAのプレスリリース
現代アートのマーケットプレイスを展開する株式会社TRiCERA(所在地:東京都港区、代表取締役:井口 泰、以下「当社」)は、当社が運営するアートギャラリー「9s Gallery」にて、藤嶋咲子個展「WRONG HERO」を、2024年10月19日から10月27までの期間に開催いたします。「歴史を通じて、匿名であり続けたのは女性だった。」 - ヴァージニア・ウルフ 先日SNSで行ったアンケートには、ジェンダーにまつわる多くの声が寄せられた。例えばそこには、「長男を優先されることへの苦しみ」を語る女性の声や、「自分だからではなく『長男だから』大事にされることへの苦しみ」を語る男性の声があった。これらの声は、社会の中で押し付けられた役割に縛られ、ネットの中で埋もれがちだ。『WRONG HERO』は、そんな声をゲーム、そしてアートの領域で可視化する試みである。 私は、これまで社会の中で「他者にとってのNPC(ノンプレイヤーキャラクター)」として扱われている感覚を抱いてきた。スクリプトに従い、ただ「主人公」の物語を補完するだけの脇役のように。しかし、本当に自分たちは決められた役割に従うしかないのだろうか? 『WRONG HERO』の主人公は、「姫になることを捨て、勇者になる」選択をした女性だ。彼女は「女の子なのに」と呆れられながらも戦い、村人との対話を通じて、NPC的な視点を少しずつアップデートしていく。彼女の存在そのものが、まるで新たな現実の「フラグ」を立てるかのように、埋もれていた声を浮かび上がらせる。 日本社会においては、人口の半数が女性であるにもかかわらず、意思決定の場には男性ばかりが配置されている。個人が自分の役割を変えようと努力することは重要だが、それだけでは「次のレベル」に進むことはできない。社会の「ルール」、そして「固定観念」や「無意識の偏見」が変わらなければ、固定化されたジェンダーの役割から抜け出すことは難しい。ヴァージニア・ウルフは「匿名であり続けたのは女性だった」と言ったが、私たちはそろそろその役割に飽きている。『WRONG HERO』の主人公は、もう「姫」になって救われるのを待つつもりはないし、男性たちも「強くなければならない勇者」という役割を押し付けられる必要はない。誰もが、決められた「勇者」や「脇役」のスクリプトから解放され、自分で新しいクエストを作る時だ。藤嶋咲子は、2020年にバーチャルデモを発表し、大きな話題を呼んだアーティストである。SNSの投稿へのリポスト数を参加者とみなし、その人数分のアバターをバーチャル国会議事堂に配置し、その様子をSNSに投稿。コロナ禍で外出や集合がままならない中、バーチャルデモは、個人の小さな声を一つのシュプレヒコールに束ね、遠くに届ける試みとして注目を集めた。 さらに、バーチャルデモを主催した藤嶋の元には、SNS経由でデモに対する数千数万のコメントが集まった。人々がデモで訴える主張は大きな力を持つが、一人ひとりがそれぞれその主張をするに至った経緯はどうしても捨象されてしまう。しかし、バーチャルデモでは、生々しい声がそのままの形で集積する。藤嶋はこうした「個人の声」を掬い上げ、可視化する作品群を現実世界と仮想空間の双方で精力的に制作してきた。それにあたって、藤嶋はビデオゲーム形式を使った新作『WRONG HERO』を発表する。娯楽とされることの多いビデオゲームは、メディアアートとしても大きな特徴を持っている。それは、プレイヤーが自ら参加し、他者の仮面/ペルソナを演じる経験を個人的かつ没入的に提供できる点だ。この特性を活かし、藤嶋は社会的な問題に対する新たな視点を提示する。 また、『WRONG HERO』は、藤嶋が幼年期にゲームをプレイしながら感じた違和感にも着想を得ているという。プレイステーション、ゲームボーイ。1980年代当時、プレイヤーの分身、主人公となるのは圧倒的に男性が大多数だった*。剣と魔法の世界であれ、敵機を次々と墜落させるSFの世界であれ、そこには暗黙のジェンダー規範が埋め込まれている。 『WRONG HERO』の主人公は女性である。プレイヤーは彼女を通してNPCと交流し、ジェンダーによる偏見をもった様々な言葉(「女の子なのにXXなの?」)を投げかけられる。感情的で弱い女性、強いから泣いてはいけない男性、女性・男性以外は存在しないことにされる世界。NPCの言動は、藤嶋がSNSで集めた、ジェンダーによる偏見を受けた人々の声だ。 だが、主人公が「女の子なのに」モンスターを倒し、人々を助けていく姿を見たNPCたちは、それぞれの考えを変えていく。本作はビデオゲームという形式を最大限に活用し、プレイヤー自身の、そして他者の傷を経験させる。そして、主人公の行動を受け、NPCら個人の声がどう変わっていくのかも。 一方、本展のもう一つの作品では、プレイヤー自身が自分の言葉でNPCと対話できる。『WRONG HERO』に登場したドット絵のNPCが、リアリスティックな姿でモニターに表示され、生成AIを用いてプレイヤーに応答する。『WRONG HERO』の女性主人公としてではなく、自分自身として向き合う他者とのコミュニケーションからは、完全には分かり合えなくても、私たちが連帯するための手がかりを得られるだろう。 1989年に開催された『大地の魔術師』展とその波紋のように、他者同士が同じ立場で対話するための実践は、マルチカルチュラリズムの波の中で、現代アートの世界でも試行と失敗、そして前進が繰り返されてきた。本作もまた、そうした実践の先端と言える。アートは「分からない」。だから、アートに参加することは、「分からない」ということを「分かる」営みでもある。そしてそれは、完全には互いを理解しえない私たちの壁を越える、おそらくは唯一のきっかけである。.
現代アートのマーケットプレイスを展開する株式会社TRiCERA(所在地:東京都港区、代表取締役:井口 泰、以下「当社」)は、当社が運営するアートギャラリー「9s Gallery」にて、藤嶋咲子個展「WRONG HERO」を、2024年10月19日から10月27までの期間に開催いたします。「歴史を通じて、匿名であり続けたのは女性だった。」 - ヴァージニア・ウルフ 先日SNSで行ったアンケートには、ジェンダーにまつわる多くの声が寄せられた。例えばそこには、「長男を優先されることへの苦しみ」を語る女性の声や、「自分だからではなく『長男だから』大事にされることへの苦しみ」を語る男性の声があった。これらの声は、社会の中で押し付けられた役割に縛られ、ネットの中で埋もれがちだ。『WRONG HERO』は、そんな声をゲーム、そしてアートの領域で可視化する試みである。 私は、これまで社会の中で「他者にとってのNPC(ノンプレイヤーキャラクター)」として扱われている感覚を抱いてきた。スクリプトに従い、ただ「主人公」の物語を補完するだけの脇役のように。しかし、本当に自分たちは決められた役割に従うしかないのだろうか? 『WRONG HERO』の主人公は、「姫になることを捨て、勇者になる」選択をした女性だ。彼女は「女の子なのに」と呆れられながらも戦い、村人との対話を通じて、NPC的な視点を少しずつアップデートしていく。彼女の存在そのものが、まるで新たな現実の「フラグ」を立てるかのように、埋もれていた声を浮かび上がらせる。 日本社会においては、人口の半数が女性であるにもかかわらず、意思決定の場には男性ばかりが配置されている。個人が自分の役割を変えようと努力することは重要だが、それだけでは「次のレベル」に進むことはできない。社会の「ルール」、そして「固定観念」や「無意識の偏見」が変わらなければ、固定化されたジェンダーの役割から抜け出すことは難しい。ヴァージニア・ウルフは「匿名であり続けたのは女性だった」と言ったが、私たちはそろそろその役割に飽きている。『WRONG HERO』の主人公は、もう「姫」になって救われるのを待つつもりはないし、男性たちも「強くなければならない勇者」という役割を押し付けられる必要はない。誰もが、決められた「勇者」や「脇役」のスクリプトから解放され、自分で新しいクエストを作る時だ。藤嶋咲子は、2020年にバーチャルデモを発表し、大きな話題を呼んだアーティストである。SNSの投稿へのリポスト数を参加者とみなし、その人数分のアバターをバーチャル国会議事堂に配置し、その様子をSNSに投稿。コロナ禍で外出や集合がままならない中、バーチャルデモは、個人の小さな声を一つのシュプレヒコールに束ね、遠くに届ける試みとして注目を集めた。 さらに、バーチャルデモを主催した藤嶋の元には、SNS経由でデモに対する数千数万のコメントが集まった。人々がデモで訴える主張は大きな力を持つが、一人ひとりがそれぞれその主張をするに至った経緯はどうしても捨象されてしまう。しかし、バーチャルデモでは、生々しい声がそのままの形で集積する。藤嶋はこうした「個人の声」を掬い上げ、可視化する作品群を現実世界と仮想空間の双方で精力的に制作してきた。それにあたって、藤嶋はビデオゲーム形式を使った新作『WRONG HERO』を発表する。娯楽とされることの多いビデオゲームは、メディアアートとしても大きな特徴を持っている。それは、プレイヤーが自ら参加し、他者の仮面/ペルソナを演じる経験を個人的かつ没入的に提供できる点だ。この特性を活かし、藤嶋は社会的な問題に対する新たな視点を提示する。 また、『WRONG HERO』は、藤嶋が幼年期にゲームをプレイしながら感じた違和感にも着想を得ているという。プレイステーション、ゲームボーイ。1980年代当時、プレイヤーの分身、主人公となるのは圧倒的に男性が大多数だった*。剣と魔法の世界であれ、敵機を次々と墜落させるSFの世界であれ、そこには暗黙のジェンダー規範が埋め込まれている。 『WRONG HERO』の主人公は女性である。プレイヤーは彼女を通してNPCと交流し、ジェンダーによる偏見をもった様々な言葉(「女の子なのにXXなの?」)を投げかけられる。感情的で弱い女性、強いから泣いてはいけない男性、女性・男性以外は存在しないことにされる世界。NPCの言動は、藤嶋がSNSで集めた、ジェンダーによる偏見を受けた人々の声だ。 だが、主人公が「女の子なのに」モンスターを倒し、人々を助けていく姿を見たNPCたちは、それぞれの考えを変えていく。本作はビデオゲームという形式を最大限に活用し、プレイヤー自身の、そして他者の傷を経験させる。そして、主人公の行動を受け、NPCら個人の声がどう変わっていくのかも。 一方、本展のもう一つの作品では、プレイヤー自身が自分の言葉でNPCと対話できる。『WRONG HERO』に登場したドット絵のNPCが、リアリスティックな姿でモニターに表示され、生成AIを用いてプレイヤーに応答する。『WRONG HERO』の女性主人公としてではなく、自分自身として向き合う他者とのコミュニケーションからは、完全には分かり合えなくても、私たちが連帯するための手がかりを得られるだろう。 1989年に開催された『大地の魔術師』展とその波紋のように、他者同士が同じ立場で対話するための実践は、マルチカルチュラリズムの波の中で、現代アートの世界でも試行と失敗、そして前進が繰り返されてきた。本作もまた、そうした実践の先端と言える。アートは「分からない」。だから、アートに参加することは、「分からない」ということを「分かる」営みでもある。そしてそれは、完全には互いを理解しえない私たちの壁を越える、おそらくは唯一のきっかけである。
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