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アーティスト中山晃子インタビュー『Macで、力を解き放つ』Apple CM出演 - Engadget 日本版

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アーティスト中山晃子インタビュー『Macで、力を解き放つ』Apple CM出演 - Engadget 日本版
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アーティスト中山晃子インタビュー『Macで、力を解き放つ』Apple CM出演 / 03月29日 04:27 PM engadgetjp

中山晃子さんといえば、液体から個体まで様々な材料を反応させ生きた絵を描くAlive Paintingの技法で知られるアーティスト。国際的な舞台でのライブパフォーマンスのほか、RADWIMPSや上白石萌音といったアーティストの音楽ビデオ、ブランドとのコラボレーションでも活躍しています。東京造形大学の油絵美術学部を油絵と鉛筆デッサンで受験しまして、それまでは鉛筆や水彩など、基礎的な技法に親しんでいましたが、大学に入ってから、白くて角が丸かったころのMacBookを使い始めました。そこから大学の同級生のダンサーやDJ などいろんな技法を得意とする仲間たちが集まる中で、自然とMacBook を手に取って。高校の時は Windows のデスクトップで映像の編集をしていましたが、なんでMacだったのかな……かっこよかったからかな?父の影響もあるかもしれません。 直感的に使えるということもあったと思います。パソコンだけれど作業が難しそうではなくて、鉛筆とか紙とかクレヨンとか、そのくらいすぐ手に取れるような、すぐ書きとめられる、すぐ編集できる、そういう直感的というキーワードに引かれて選んだんだと思います。今はCM でも流れているM1 ProチップのMacBook Pro 14インチを使っております。その前から MacBook Air やMac mini、MacBook Pro などを代々使っておりまして、iPadもありますね。iPhoneも。なので、自然とApple製品がだんだんと揃ってきました。iPad にはお絵かきアプリをいくつか入れています。油絵の具は本来そんなに気軽に持ち出せるものではないのですが、油絵のような絵の具の混ざりかたができるドローイングアプリを iPadに入れて楽しんだり、出先でメモしたり。MacBook の方はもうメインの仕事場のような感覚で。仕事場にMacがあるというよりも、Macが仕事場という使い方でしょうか。この新しいMacBook Proになってからは、裏でいくつかアプリを開いておくのもストレスがなくなったので、PhotoshopとPremiereを同時に開いて行き来しながら編集したりもストレスが無くなりました。使い勝手が良い作業場として使ってます。 持ち出しやすいのもかなり重要ですね。たとえば以前、スペインでライブパフォーマンスをしている音楽チームの音声をZoomで送ってもらって、私はそれを聴きつつ、カメラの色彩をMacに取り込んでこう味付けをして送って、スペインチームはその色彩から音楽を作るという、遠隔でコラボレーションをしたことがありました。 そのときはコミュニケーションツールでもあり、外部の色彩を取り込むセンサーでもあり、MacBookにはかなり多層的な役割を担ってもらいました。会場は群馬県の中之条という山奥だったので、自分のMacBookだけ持ち込めばそんなこともできたのはありがたかったです。 今年は初心者ながら3D CGにチャレンジを始めました。動画編集や画像編集よりもずっと重い処理が必要なのですけれど、それもある意味直感的というか、レンダリングの待ち時間が圧倒的に減ったことで、このパラメーターをいじるとこうなるのねという原因と結果が素早く分かるのは、集中力が持続するコツだとも思いますし。いわゆる「ライブペインティング」は、絵の具をその場で混ぜあわせながら描いてゆく様子を見てもらって、現場で作り上げる芸術のスタイルだと思うのですが、「まるで生きてる絵みたいだね」という感想をある人にいただいて。構造としては、基本的には真俯瞰でビデオカメラや一眼レフを設置して、その下に手のひらに溜められるくらいの本当に小さなサイズで、液体と色彩のたゆたう様子ですとか、物理現象、振る舞いを観察しながら物語を紡いでゆきます。肉眼でギリギリ見えないぐらいのライブペイントをビデオカメラで撮影して、プロジェクターで投写し、描いてゆくスタイルです。 撮影にはマクロレンズを使いますが、振動もあるので適宜使い分けています。ミュージシャンとご一緒する時などは、特定の周波数によって液体が共振するので、サウンドチェックの時に周波数のチェックもしたりなどしますね。これぐらいの低音だと水にブーンと波紋ができるから、演出の中で最後のトリとして持ってこうか?とか。物理的なセッションがそこで起きたりするのは、Alive Paintingの醍醐味かなと思います。 Alive Paintingだけの場合はビデオカメラを直接プロジェクターに繋ぐのでMacは使わないですが、ソロパフォーマンスの時、たとえば先ほどご覧いただいた中之条のライブでは遠隔にいるミュージシャンとの窓になったり、日本にいながらアメリカのフェスに参加する時などはストリーミング用のソフトを入れておいて、Ableton Liveで映像と同時に配信するという使い方をしてます。―― 音楽ビデオをよく担当されてますよね。上白石萌音ちゃんのMV なんて背景にずっと流れていて。あれはどういう過程で作られるものなんでしょうか萌音さんの時はかなり特殊で。普段は俯瞰で撮っているので、航空写真のように真上から見下ろすかたちになるのですが、あの時は大きなキャンバスを斜めに設置して、絵の具をたくさんスプラッシュ、上から下に絵の具を垂らしてゆきました。 使う絵の具も、曲の中で混ざって欲しい部分と混ざらないでほしい部分があったので、混ざりにくい材質の絵の具をピックアップしました。普段使っている、混ざるか混ざらないかせめぎあっていくような、透明感のある絵の具使いではなく、不透明な絵の具を配置していくような楽しさをエネルギッシュに追求したライブでしたね。 そうそう、萌音さんのMVでは収録の時も会場にいまして、歌っているところのちょっと斜のカメラの邪魔にならない場所から、萌音さんの呼吸のリズムとかお体の動きとか、曲のテンポを感じながら、その場でライブで作っていたものになります。絵の具がわーっと流れるような、インサート的に必要な流動は現場でいくつか撮って、ディレクターさんが組み合わせてくださったんですけど、萌音さんの背景にバーっと上がっていく部分は実際に萌音さんが歌っているのを見ながらその場で描いてプロジェクションしました。いろんなお仕事ができて楽しいです。芸術祭などに参加する場合はその土地のものを使うこともあります。ある原料が多く採れる場所ではその色材は高貴な色にはなりにくいことや、色材の採れやすさと文化で、その色にどのような意味が結びつくのかなど、文化的な特徴として現れることもあり、大変興味深いです。 たとえば先日、音楽家とともに刀鍛冶の行平が晩年妖刀を打ったとされる国東半島にリサーチに行き、そこで伝説を基にした物語を作って1時間の公演をしたのですが、その時は伝説とはいえ、刀を打ったということは砂鉄が多く採れたのではないか?と。 伝説のあった場所は海岸で砂鉄がとても採りやすくて。砂浜もややグレーの粒が肉眼でも見えるような場所だったので、現地の方のお話もお伺いしながら、コップいっぱいほどの砂鉄を採取しまして、ライブ中に砂鉄で絵を描きました。 ギリシャのレジデンスに行った時には、乾いた砂っぽい岩肌がとても印象的だったので、少し岩をもらってハンマーで叩いて、水の中に入れて、浮いてきたゴミと沈んでるゴミは取り除き、真ん中で対流してる中くらいの粒だけ濾紙で取り出して、膠と混ぜて絵の具にしてみたり。勉強も兼ねて、古来の製法で絵の具を作ったりもしてます。 絵の具は自分で作ることもありますが、既存のものでもアクリル絵の具とか、あとはエアブラシ用にとろっとした状態で売っている塗料なども使います。インクの場合は塗布した時には赤だけど、乾くと緑が出てくるとか、丁寧に作られた画材はイリュージョンが生まれやすいです。絵の具同士の個性が出会った時に物語が動き出すので、それを期待しながら、さまざまな材料を使ってます。 やはりライブペインティングという、作っている過程もお見せする表現方法ですと、色んな手数を増やしてそれを楽しむ醍醐味がありまして。これは失敗なんじゃないか? いや、それを活かそうという心の動き自体が面白くて。Macの場合は処理が早くなったことで、検証実験また検証実験がライブに近い形になって、待ち時間のほとんどない作業ができるので、かなり理想的なリズムで制作を助けていただいてます。そうですね。いろんな形で世界を観察したいとか認識したい、よく見て知りたいという気持ちが動機としてとっても強くあります。大きく集音できるマイクとかビデオカメラというのは、その点で自分の外部の耳や目として機能してくれてるものと思っています。 たとえば小石がどういうふうに今ここにあるのかなって考えると、何の元素であるのか、色彩と形は全部細かい点の集積でできているんだなってことを認識しますが、3D CGの場合だと、質感とか色彩というのは最後の最後に出て来て。成り立ちが異なる世界のものにも触れることで、現実を他の方法で確かめることができます。そのようにたくさんの視線を持ちたいので、技術を横断することはとても刺激になります。.

中山晃子さんといえば、液体から個体まで様々な材料を反応させ生きた絵を描くAlive Paintingの技法で知られるアーティスト。国際的な舞台でのライブパフォーマンスのほか、RADWIMPSや上白石萌音といったアーティストの音楽ビデオ、ブランドとのコラボレーションでも活躍しています。東京造形大学の油絵美術学部を油絵と鉛筆デッサンで受験しまして、それまでは鉛筆や水彩など、基礎的な技法に親しんでいましたが、大学に入ってから、白くて角が丸かったころのMacBookを使い始めました。そこから大学の同級生のダンサーやDJ などいろんな技法を得意とする仲間たちが集まる中で、自然とMacBook を手に取って。高校の時は Windows のデスクトップで映像の編集をしていましたが、なんでMacだったのかな……かっこよかったからかな?父の影響もあるかもしれません。 直感的に使えるということもあったと思います。パソコンだけれど作業が難しそうではなくて、鉛筆とか紙とかクレヨンとか、そのくらいすぐ手に取れるような、すぐ書きとめられる、すぐ編集できる、そういう直感的というキーワードに引かれて選んだんだと思います。今はCM でも流れているM1 ProチップのMacBook Pro 14インチを使っております。その前から MacBook Air やMac mini、MacBook Pro などを代々使っておりまして、iPadもありますね。iPhoneも。なので、自然とApple製品がだんだんと揃ってきました。iPad にはお絵かきアプリをいくつか入れています。油絵の具は本来そんなに気軽に持ち出せるものではないのですが、油絵のような絵の具の混ざりかたができるドローイングアプリを iPadに入れて楽しんだり、出先でメモしたり。MacBook の方はもうメインの仕事場のような感覚で。仕事場にMacがあるというよりも、Macが仕事場という使い方でしょうか。この新しいMacBook Proになってからは、裏でいくつかアプリを開いておくのもストレスがなくなったので、PhotoshopとPremiereを同時に開いて行き来しながら編集したりもストレスが無くなりました。使い勝手が良い作業場として使ってます。 持ち出しやすいのもかなり重要ですね。たとえば以前、スペインでライブパフォーマンスをしている音楽チームの音声をZoomで送ってもらって、私はそれを聴きつつ、カメラの色彩をMacに取り込んでこう味付けをして送って、スペインチームはその色彩から音楽を作るという、遠隔でコラボレーションをしたことがありました。 そのときはコミュニケーションツールでもあり、外部の色彩を取り込むセンサーでもあり、MacBookにはかなり多層的な役割を担ってもらいました。会場は群馬県の中之条という山奥だったので、自分のMacBookだけ持ち込めばそんなこともできたのはありがたかったです。 今年は初心者ながら3D CGにチャレンジを始めました。動画編集や画像編集よりもずっと重い処理が必要なのですけれど、それもある意味直感的というか、レンダリングの待ち時間が圧倒的に減ったことで、このパラメーターをいじるとこうなるのねという原因と結果が素早く分かるのは、集中力が持続するコツだとも思いますし。いわゆる「ライブペインティング」は、絵の具をその場で混ぜあわせながら描いてゆく様子を見てもらって、現場で作り上げる芸術のスタイルだと思うのですが、「まるで生きてる絵みたいだね」という感想をある人にいただいて。構造としては、基本的には真俯瞰でビデオカメラや一眼レフを設置して、その下に手のひらに溜められるくらいの本当に小さなサイズで、液体と色彩のたゆたう様子ですとか、物理現象、振る舞いを観察しながら物語を紡いでゆきます。肉眼でギリギリ見えないぐらいのライブペイントをビデオカメラで撮影して、プロジェクターで投写し、描いてゆくスタイルです。 撮影にはマクロレンズを使いますが、振動もあるので適宜使い分けています。ミュージシャンとご一緒する時などは、特定の周波数によって液体が共振するので、サウンドチェックの時に周波数のチェックもしたりなどしますね。これぐらいの低音だと水にブーンと波紋ができるから、演出の中で最後のトリとして持ってこうか?とか。物理的なセッションがそこで起きたりするのは、Alive Paintingの醍醐味かなと思います。 Alive Paintingだけの場合はビデオカメラを直接プロジェクターに繋ぐのでMacは使わないですが、ソロパフォーマンスの時、たとえば先ほどご覧いただいた中之条のライブでは遠隔にいるミュージシャンとの窓になったり、日本にいながらアメリカのフェスに参加する時などはストリーミング用のソフトを入れておいて、Ableton Liveで映像と同時に配信するという使い方をしてます。―― 音楽ビデオをよく担当されてますよね。上白石萌音ちゃんのMV なんて背景にずっと流れていて。あれはどういう過程で作られるものなんでしょうか萌音さんの時はかなり特殊で。普段は俯瞰で撮っているので、航空写真のように真上から見下ろすかたちになるのですが、あの時は大きなキャンバスを斜めに設置して、絵の具をたくさんスプラッシュ、上から下に絵の具を垂らしてゆきました。 使う絵の具も、曲の中で混ざって欲しい部分と混ざらないでほしい部分があったので、混ざりにくい材質の絵の具をピックアップしました。普段使っている、混ざるか混ざらないかせめぎあっていくような、透明感のある絵の具使いではなく、不透明な絵の具を配置していくような楽しさをエネルギッシュに追求したライブでしたね。 そうそう、萌音さんのMVでは収録の時も会場にいまして、歌っているところのちょっと斜のカメラの邪魔にならない場所から、萌音さんの呼吸のリズムとかお体の動きとか、曲のテンポを感じながら、その場でライブで作っていたものになります。絵の具がわーっと流れるような、インサート的に必要な流動は現場でいくつか撮って、ディレクターさんが組み合わせてくださったんですけど、萌音さんの背景にバーっと上がっていく部分は実際に萌音さんが歌っているのを見ながらその場で描いてプロジェクションしました。いろんなお仕事ができて楽しいです。芸術祭などに参加する場合はその土地のものを使うこともあります。ある原料が多く採れる場所ではその色材は高貴な色にはなりにくいことや、色材の採れやすさと文化で、その色にどのような意味が結びつくのかなど、文化的な特徴として現れることもあり、大変興味深いです。 たとえば先日、音楽家とともに刀鍛冶の行平が晩年妖刀を打ったとされる国東半島にリサーチに行き、そこで伝説を基にした物語を作って1時間の公演をしたのですが、その時は伝説とはいえ、刀を打ったということは砂鉄が多く採れたのではないか?と。 伝説のあった場所は海岸で砂鉄がとても採りやすくて。砂浜もややグレーの粒が肉眼でも見えるような場所だったので、現地の方のお話もお伺いしながら、コップいっぱいほどの砂鉄を採取しまして、ライブ中に砂鉄で絵を描きました。 ギリシャのレジデンスに行った時には、乾いた砂っぽい岩肌がとても印象的だったので、少し岩をもらってハンマーで叩いて、水の中に入れて、浮いてきたゴミと沈んでるゴミは取り除き、真ん中で対流してる中くらいの粒だけ濾紙で取り出して、膠と混ぜて絵の具にしてみたり。勉強も兼ねて、古来の製法で絵の具を作ったりもしてます。 絵の具は自分で作ることもありますが、既存のものでもアクリル絵の具とか、あとはエアブラシ用にとろっとした状態で売っている塗料なども使います。インクの場合は塗布した時には赤だけど、乾くと緑が出てくるとか、丁寧に作られた画材はイリュージョンが生まれやすいです。絵の具同士の個性が出会った時に物語が動き出すので、それを期待しながら、さまざまな材料を使ってます。 やはりライブペインティングという、作っている過程もお見せする表現方法ですと、色んな手数を増やしてそれを楽しむ醍醐味がありまして。これは失敗なんじゃないか? いや、それを活かそうという心の動き自体が面白くて。Macの場合は処理が早くなったことで、検証実験また検証実験がライブに近い形になって、待ち時間のほとんどない作業ができるので、かなり理想的なリズムで制作を助けていただいてます。そうですね。いろんな形で世界を観察したいとか認識したい、よく見て知りたいという気持ちが動機としてとっても強くあります。大きく集音できるマイクとかビデオカメラというのは、その点で自分の外部の耳や目として機能してくれてるものと思っています。 たとえば小石がどういうふうに今ここにあるのかなって考えると、何の元素であるのか、色彩と形は全部細かい点の集積でできているんだなってことを認識しますが、3D CGの場合だと、質感とか色彩というのは最後の最後に出て来て。成り立ちが異なる世界のものにも触れることで、現実を他の方法で確かめることができます。そのようにたくさんの視線を持ちたいので、技術を横断することはとても刺激になります。

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