ホワイトな職場環境を求めてフィンランドへ--移民のリアルなIT就職事情

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ホワイトな職場環境を求めてフィンランドへ--移民のリアルなIT就職事情
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今回は、ワークライフバランスの良いホワイトな職場環境を求めフィンランドに移住、現地の大学を卒業後、金融系の現地企業にエンジニアとして就職したシンイチさん(33歳)に、現地でのリアルな就職体験を聞いた。

シンイチさんが就職を考え出した2010年頃、ブラック企業の話を周囲やネットで多く聞くようになった。当時は、ホワイト企業自体や関連情報が少なく、「海外に出るしかない」と思ったという。選んだ国はフィンランドだった。 「僕が、移住国を選ぶ基準にしたのは2点で、ワークライフバランスの良さと上下関係のゆるさ。北欧では残業や休日出勤のない働き方ができることは知られていたし、男女平等の意識も高い。平等意識が高いということは、職場における階層意識も薄いだろうなと」そう決めてから移住の方法を考え、フィンランドの大学に現地語で入学することに。というのも、フィンランドの大学に現地語で入学する場合、外国人も学費が無料になるのだ。働きながら、トータル4年ほどかけて独学でスウェーデン語(※)を学び、現地の大学へ入学。勉強中の4年間は、日本で英語科教員として働いたり、オーストラリアでワーキングホリデーをしたり、派遣社員として働いたりして、留学資金を貯めた。「英語を習得した経験から、語学習得の方法を理解していたこと、スウェーデン語の文法などが英語に似ていたことから、1日1時間ほどの学習を4年近く続けて、大学に通える程度のスウェーデン語を習得した」 マイナーな言語ゆえ市販の教材が少ないことは課題だったが、「ウィキペディア」のページをスウェーデン語に変換してテキストにする、スウェーデン語に吹き替えられたアニメを「YouTube」で見るなどして、スキルを習得したそうだ。「元々、教育に興味があり英語の教員になったが、海外移住を第一目標とする僕は、興味があることより、現地で就職できることを優先すべきだと考えた。興味がない学部を専攻するのに抵抗はなかった。それまでの経験から、職種より職場の人間関係や雰囲気がいいことが楽しく働くために必要だと思ったから」 シンイチさんには、高校で所属していた陸上部がパワハラ気質だったことで、好きな陸上を楽しめなかった経験がある。加えて、オーストラリアのワーホリ時代に、興味がない職種でも、いい人間関係が築けたことで楽しく働けた経験も。だからこそ、ためらうことなくIT学部を選んだそうだ。数学があまり得意ではなかったシンイチさんは、時につまずきながらも現地の大学を卒業。努力の末に、現地の金融系企業で理想に近いエンジニア職を手に入れた。移民というハンデがありながら、どのように就職を勝ち取ったのだろうか。 「フィンランドは国全体でワークライフバランスが良いことから、IT業界であれば、どこでも労働条件はいいだろうと考えた。そこで、“入社できる可能性が高い企業”を前提条件に設定。大学で学んでいた言語が『Java』だったことと、フィンランドの求人サイトでJavaのスキルが求められる求人件数が最多だったことから、Javaを使うエンジニアのポジションを広く狙った」就職活動を始めた同時期に、エンジニアの勝又健太氏が運営&プロデュースする「雑食系エンジニアサロン」に入会。これは、「今自分がしている努力が正しいのか」という問いの答え合わせをするためだったという。 「就職に向けてポートフォリオの作成が求められるのだが、IT企業でどんな作品が評価されるのか、そのポイントを知りたかった。このサロンで教えてもらった『エンジニア転職のロードマップ』に沿って準備をしていたところ、現地企業から非常に良い評価をもらうことができた」 サロン入会のほか、フィンランド語を勉強し、フィンランド語を話せることをアピールしたり、「MENTA」というサービスを用いて相談に乗ってくれるメンターを探したり、現地で知り合ったフィンランド人のエンジニアにアドバイスをもらったりもした。その結果、約20社に履歴書を送り、そのうち3社と面接、2社から内定をもらうことができたそうだ。 2社はいずれも有給のインターンで、条件云々ではなく、早く内定連絡があったヘルシンキの企業で働くことに。2021年5月にインターンをスタートし、同年9月に正社員に昇格した。このインターンは、現地では「サマージョブ」と呼ばれるもので、夏の期間に働くのが前提だ。その後は、正社員に昇格するものもあれば、そうではない場合もあるという。 「自身の経験と周囲の話を聞くと、フィンランドのインターンは3種類あるようだ。正社員への昇格を前提とするもの、安い労働力として扱われるもの、どちらに傾く可能性もあるもの。僕の場合は、インターンを開始して1週間後に『終了後に正社員として継続する気はあるか』と聞かれ、即答で『Yes』と答え、無事に正社員の職を得ることができた」既出のとおり、フィンランドにおける移民の就職は、一般的に苦労を伴うと聞く。だが、シンイチさんいわく、「IT業界にいたっては、移民であることをディスアドバンテージには感じなかった」そうだ。 「フィンランドではフルタイムのポジションが少なく、椅子取りゲームになっているのは事実。でも、間口が広い職種であれば、移民であっても就職しやすいと感じた。自身の経験を通して、需要が多く、かつ人材不足のIT業界は移民のハンデを感じづらいのではないかなと。年齢の壁も僕は感じなかった。面接に呼ばれた3社とも年齢には言及されなかったので」好きなことを学ぶのではなく、海外移住を目指して、戦略的に学部を専攻し、念願の現地就職を勝ち取ったシンイチさん。願ったとおりのワークライフバランスと階層意識の薄い人間関係のなかで、心地よく働けているという。次回は、現在の働き方や過ごし方、人間関係、キャリア観を深堀りして伝えたい。.

シンイチさんが就職を考え出した2010年頃、ブラック企業の話を周囲やネットで多く聞くようになった。当時は、ホワイト企業自体や関連情報が少なく、「海外に出るしかない」と思ったという。選んだ国はフィンランドだった。 「僕が、移住国を選ぶ基準にしたのは2点で、ワークライフバランスの良さと上下関係のゆるさ。北欧では残業や休日出勤のない働き方ができることは知られていたし、男女平等の意識も高い。平等意識が高いということは、職場における階層意識も薄いだろうなと」そう決めてから移住の方法を考え、フィンランドの大学に現地語で入学することに。というのも、フィンランドの大学に現地語で入学する場合、外国人も学費が無料になるのだ。働きながら、トータル4年ほどかけて独学でスウェーデン語(※)を学び、現地の大学へ入学。勉強中の4年間は、日本で英語科教員として働いたり、オーストラリアでワーキングホリデーをしたり、派遣社員として働いたりして、留学資金を貯めた。「英語を習得した経験から、語学習得の方法を理解していたこと、スウェーデン語の文法などが英語に似ていたことから、1日1時間ほどの学習を4年近く続けて、大学に通える程度のスウェーデン語を習得した」 マイナーな言語ゆえ市販の教材が少ないことは課題だったが、「ウィキペディア」のページをスウェーデン語に変換してテキストにする、スウェーデン語に吹き替えられたアニメを「YouTube」で見るなどして、スキルを習得したそうだ。「元々、教育に興味があり英語の教員になったが、海外移住を第一目標とする僕は、興味があることより、現地で就職できることを優先すべきだと考えた。興味がない学部を専攻するのに抵抗はなかった。それまでの経験から、職種より職場の人間関係や雰囲気がいいことが楽しく働くために必要だと思ったから」 シンイチさんには、高校で所属していた陸上部がパワハラ気質だったことで、好きな陸上を楽しめなかった経験がある。加えて、オーストラリアのワーホリ時代に、興味がない職種でも、いい人間関係が築けたことで楽しく働けた経験も。だからこそ、ためらうことなくIT学部を選んだそうだ。数学があまり得意ではなかったシンイチさんは、時につまずきながらも現地の大学を卒業。努力の末に、現地の金融系企業で理想に近いエンジニア職を手に入れた。移民というハンデがありながら、どのように就職を勝ち取ったのだろうか。 「フィンランドは国全体でワークライフバランスが良いことから、IT業界であれば、どこでも労働条件はいいだろうと考えた。そこで、“入社できる可能性が高い企業”を前提条件に設定。大学で学んでいた言語が『Java』だったことと、フィンランドの求人サイトでJavaのスキルが求められる求人件数が最多だったことから、Javaを使うエンジニアのポジションを広く狙った」就職活動を始めた同時期に、エンジニアの勝又健太氏が運営&プロデュースする「雑食系エンジニアサロン」に入会。これは、「今自分がしている努力が正しいのか」という問いの答え合わせをするためだったという。 「就職に向けてポートフォリオの作成が求められるのだが、IT企業でどんな作品が評価されるのか、そのポイントを知りたかった。このサロンで教えてもらった『エンジニア転職のロードマップ』に沿って準備をしていたところ、現地企業から非常に良い評価をもらうことができた」 サロン入会のほか、フィンランド語を勉強し、フィンランド語を話せることをアピールしたり、「MENTA」というサービスを用いて相談に乗ってくれるメンターを探したり、現地で知り合ったフィンランド人のエンジニアにアドバイスをもらったりもした。その結果、約20社に履歴書を送り、そのうち3社と面接、2社から内定をもらうことができたそうだ。 2社はいずれも有給のインターンで、条件云々ではなく、早く内定連絡があったヘルシンキの企業で働くことに。2021年5月にインターンをスタートし、同年9月に正社員に昇格した。このインターンは、現地では「サマージョブ」と呼ばれるもので、夏の期間に働くのが前提だ。その後は、正社員に昇格するものもあれば、そうではない場合もあるという。 「自身の経験と周囲の話を聞くと、フィンランドのインターンは3種類あるようだ。正社員への昇格を前提とするもの、安い労働力として扱われるもの、どちらに傾く可能性もあるもの。僕の場合は、インターンを開始して1週間後に『終了後に正社員として継続する気はあるか』と聞かれ、即答で『Yes』と答え、無事に正社員の職を得ることができた」既出のとおり、フィンランドにおける移民の就職は、一般的に苦労を伴うと聞く。だが、シンイチさんいわく、「IT業界にいたっては、移民であることをディスアドバンテージには感じなかった」そうだ。 「フィンランドではフルタイムのポジションが少なく、椅子取りゲームになっているのは事実。でも、間口が広い職種であれば、移民であっても就職しやすいと感じた。自身の経験を通して、需要が多く、かつ人材不足のIT業界は移民のハンデを感じづらいのではないかなと。年齢の壁も僕は感じなかった。面接に呼ばれた3社とも年齢には言及されなかったので」好きなことを学ぶのではなく、海外移住を目指して、戦略的に学部を専攻し、念願の現地就職を勝ち取ったシンイチさん。願ったとおりのワークライフバランスと階層意識の薄い人間関係のなかで、心地よく働けているという。次回は、現在の働き方や過ごし方、人間関係、キャリア観を深堀りして伝えたい。

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