認知症の母を介護する90代父 娘が撮った「ある愛の記録」 | 週刊文春 電子版

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認知症の母を介護する90代父 娘が撮った「ある愛の記録」 | 週刊文春 電子版
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認知症と診断された母。95歳を超えて家事を始めた父。テレビディレクターの娘は両親の「老老介護」を撮影し続けた。カメラが映し出したのは誰にも訪れる宿命と美しい愛だった――切なくも温かい、ある家族の物語。

「お父さんがええんなら、お母さんもええよ。だって、直子はお母さんらのこと悪いようにはせんじゃろ?」ところが、番組にするにあたり、2人の日常生活がわかる「素材」が圧倒的に足りません。そこで私は、娘としてではなくディレクターとして2人の様子を観察することにしました。 驚いたのは、95歳を超えた父が家事を始めていたことです。父はこれまで家事の全てを母任せ。趣味のコーヒーを淹れる以外は縦のものを横にもしない人でした。それが、母が認知症と診断されてから、掃除、洗濯、料理、さらには裁縫までこなすようになっていたのです。「買い物に行く」というのでカメラを回しながらついていきました。行き先は坂道の上にあるスーパー。「今日の私は観察者だからね」と言うと、父は張り切って、大きな袋2つ分も食材を買い込みました。私は娘であり、ディレクターでもある。この時の映像を見返すと、カメラがカタッと揺れています。一瞬「助けに行こうかな」と思った、心の揺れ。カメラを回しながら両親を観察していると、新たな発見もありました。母はこの頃、何をするのも億劫で、大量に溜まった洗濯物を廊下一面に広げ、その上に寝転がってしまいました。ところが、父は「しょんべん……」と言い、母をひょいと跨いでトイレに向かったのです。思わず吹き出してしまいました。ああ、これが今の信友家のリアルなんだ、と。この場面は老老介護の深刻な事態のはずなのに、微笑ましさすら感じました。というチャップリンの名言があります。認知症の介護をしていると、つい近視眼的になりがちです。私もそれまでは母に対して「悲しい」「心配だ」という負の感情を抱いていました。しかし、2人を「ヒキ」で映すようになり、色々な出来事を前向きに捉えることができるようになった。私は救われていたのです。両親の要介護度を知らせる通知が来たのは6月半ばでした。母は〈要介護1〉、父は〈非該当〉。「わしはひっかからん、思うとったんじゃ」と父は鼻高々です。 「毎週土曜日に母がデイサービスに行くこと」「毎週水曜日にヘルパーさんが家事援助をすること」が決まりました。当初はすんなりOKを出した母でしたが、やはり上手くはいかなかった。「私が邪魔なんね」とデイサービスに行きたがらなかったり、「私流のやり方がある」とヘルパーさんの家事援助を嫌がったりしたのです。それから3カ月後の9月11日、母の特集が『Mr.

サンデー』で放送されました。私はその後も撮影を続け、2017年10月にはBSフジで長尺のドキュメンタリーも放送されました。「再放送してほしい」という声が数多く寄せられたそうです。映画監督の大島新さんから「この番組、映画にしようよ」と声をかけてもらったのは、その直後のことでした。

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