Wi-Fi HaLowの受信範囲テストの結果と考察
先月は信号機の高さの アクセスポイント から、最大で1km程度の到達距離を確認したところまで説明したかと思うが、これはアメリカでの電波規制の範囲内での話であり、欧州やインドなどではもっと厳しい電波出力規制が入る。そこで次に クライアント をM2B7111-EVBに交換(チャネル幅は1MHz)。それに3dBiの(おそらく)ダイポールアンテナを組み合わせて、やはりpingを行いながらカバレージの確認を行った。図1:今度はAPを、前回とはIrvine Center Driveを挟んで反対側の駐車場に置いた模様。近隣はMCS(Modulation and Coding Scheme) 7(3.
34Mbps)が可能だが、Irvine Center DriveとSand Canyon Aveの交差点のあたりだともうMCS 0(150Kbps)までスループットが落ちる Irvine Center Drive沿い方向に400m、それと直角方向に200mほどがカバーレンジになっているという結果となった。White Paperでは「広大な駐車場や小売店、ビジネスパークを越え、アクセスポイントから650ft(200m)離れた距離でも維持できることが分かりました」としているが、確かに嘘ではない。 こちらの結果はSNR(Signal-to-Noise Ratio)であり、一番強いところで35dB、一番低いところでも14dB程度を確保できている。この結果についてWhite Paperでは「これはWi-Fi HaLowが、デッドスポットを気にすることなく、位置追跡や重要なセンサーの監視、スプリンクラーシステムなどの用途に利用できることを示している」とまとめている。図8:SNR Map。概ねRSSI Mapと同一傾向。 ただ、それが確保できるのはアクセスポイントの周囲だけで、隣接ブロックは-70dBm、2ブロック離れると-80dBm程度まで下がる。とはいえ、-80dBmでも通信そのものは維持できている感じだ。図で右下、-80dBmとなっている端はアクセスポイントからおよそ800mほどである。ゆっくりとはいえ、動いている車相手でもちゃんと接続できるというのは優秀かと思う。またSNRの方は、-80dBmのあたりだとSNRが1とか2程度まで落ちてかなり通信は厳しいように見えるが、もう少し近づくとだいぶ改善する。建物の影とかを別にすれば、400m以内だとSNRが10以上は確保できているというあたりか。図10:UDP Uplink。概ねUplinkと変わらない感じである。厳密に言えば、例えばAspen Medical Productsの入っているビルの角、Downlinkは2MbpsなのにUplinkは0.7Mbpsとかアンマッチなところもあるが、低速とは言え移動中だから、ビルとの関係でDownlinkは影になってなかったのがUplinkでは影になった、という可能性もある。あまり厳密なものではないと考えた方が良いビルは3階建てで、構造用鋼鉄の柱と梁で構成され、床は金属製のデッキ上にコンクリートを流し込んで作られている。建物の床面積は約240ft×115ft(73×35m=2555㎡)、各フロアは約12ftの天井高である。各階の構造は後で出てくるが、中央通路の周囲に部屋がある構造で、エレベーターとトイレ、階段は中央コアの近くに配置されている。アクセスポイントとクライアント:どちらもNRCM kit NRCMEVB アクセスポイント:Methods2Business M2B7211-EVK Access Point Evaluation Kit/クライアント:Methods2Business M2B7111-EVK Station Evaluation Kit図14:UDP uplinkでの比較。1階に関してはほぼ10~20Mbps出ているが、2Fは2~4Mbps、3Fは1Mbpsも厳しい感じ。またコンクリート壁は流石に抜けないようで、建物外周部はドア付近を除くと1Mbps前後でしかない。 ここではアクセスポイント・クライアント共にMN6108-EKH01を使っている。ちなみに図14のグレーの部分は、ほかのテナントが利用中ということで立ち入りできなかったそうだ。まあ予想通りではあるが、おそらくは階段を経由して、3Fまで何とか電波が届いているのは流石である。 図15は、欧州およびインド向けのテストである。今度はアクセスポイントとクライアントをMethods2Business M2B7211-EVKに切り替え、902.5MHzでチャネル幅1MHz、送信出力は10dBmに抑えている
Wi-Fi Halow 電波受信範囲 テスト結果 SNR アクセスポイント クライアント
日本 最新ニュース, 日本 見出し
Similar News:他のニュース ソースから収集した、これに似たニュース記事を読むこともできます。
Wi-Fiルーター「WSR-3000AX4P-BK」が「価格.comプロダクトアワード2024」パソコン周辺機器部門無線LANルーター(Wi-Fiルーター)カテゴリで金賞を受賞Wi-Fiルーター「WSR-3000AX4P-BK」が「価格.comプロダクトアワード2024」パソコン周辺機器部門無線LANルーター(Wi-Fiルーター)カテゴリで金賞を受賞 株式会社バッファローのプレスリリース
続きを読む »
Wi-Fi 7: 15Gbps高速通信で8Kストリーミングも快適にWi-Fi 7は6GHzのチャンネル幅を最大320MHzまで拡張し、最大15Gbpsの高速通信を実現。複数のWi-Fiバンドを同時に利用できるMLO技術によって、Wi-Fi 6/6Eルーターよりも3倍の高速通信が可能です。ノートPC、スマートTV、ベビーモニターなど、複数のデバイスを同時に接続し、効率的な通信環境を提供します。
続きを読む »
サントリーが新作「Galaxy」シリーズタブレットやスマートウォッチを発売今回のセールでは、Galaxy Tab A9+(Wi-Fiモデル)、Galaxy Tab S9FE(Wi-Fiモデル)、Galaxy Tab S10 Ultraなど多数のタブレットが対象製品としてラインナップされています。また、Galaxy Z Flip5やGalaxy Watch7などもお買い得になっています。
続きを読む »
GIGABYTE、B850チップセット採用マザーボード「B850 AORUS ELITE WIFI7」を発表AMD B850チップセットを採用したゲーミング向けマザーボード「B850 AORUS ELITE WIFI7」がGIGABYTEより発表された。PCIe x16スロットとNVMe M.2拡張スロットはGen5に対応し、Wi-Fi 7にも対応するなど、将来性のあるスペックを備えている。
続きを読む »
猫カフェMOCHA: 癒し空間を提供し、世界へ展開猫カフェMOCHAは、お客様に猫と触れ合い、リラックスした時間を過ごせるよう、こだわりの空間を提供しています。Wi-Fi、電源完備でPC作業にも対応可能で、マンガ読み放題など、様々な設備が充実しています。また、猫ちゃんたちの食事タイムも人気です。
続きを読む »
STMicroelectronics、Qualcommと連携しMatter対応STM32マイコン「ST67W611M」を発表STMicroelectronics社は、Qualcomm社製のマルチプロトコルコネクティビティ・システム・オン・チップ(SoC)を搭載したMatter対応STM32マイコン「ST67W611M」を発表しました。このSoCは、Wi-Fi 6/Bluetooth 5.3/Threadに対応し、Matterプロトコルをサポートすることで、IoTデバイスの接続性を向上させます。
続きを読む »