【NQNニューヨーク=戸部実華】27日のニューヨーク・マーカンタイル取引所（NYMEX）で原油先物相場は反落した。WTI（ウエスト・テキサス・インターミディエート）で期近の3月物は前週末比1.49ドル（2.0%）安の1バレル73.17ドルで取引を終えた。トランプ米大統領が南米コロンビアに対する関税引き上げの方針を撤回し、原油供給への悪影響への懸念が後退した。米株式市場で主力ハイテク株への売りがか
さみ、市場心理が悪化したことも原油先物相場の重荷となった。
トランプ米大統領は26日、米国の不法滞在者の米軍機による強制送還を拒否したとして、コロンビアに25%の関税などの緊急制裁を加えると明らかにした。その後、コロンビア政府と移民送還について合意したと発表し、関税や制裁も撤回した。市場ではコロンビアからの製品に対して25%の関税が実施されれば、同国産の原油供給が減るとの見方があった。 中国の人工知能（AI）開発企業、DeepSeek（ディープシーク）が開発した低コストの高性能AIへの関心が急速に高まり、米国のAI産業は競争激化にさらされるとの懸念から27日の米株式市場では半導体やハイテク大手の株価が軒並み売られた。ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数が大幅に下落した。株式と同様にリスク資産とされる原油先物への売りにつながった。
ニューヨーク金先物相場は反落した。ニューヨーク商品取引所（COMEX）で取引の中心である2月物は前週末比40.5ドル（1.5%）安の1トロイオンス2738.4ドルで取引を終えた。AI分野の競争激化への警戒で米国の大手ハイテク銘柄が下げるなか、現金などの流動性を確保する目的で金先物にも売りが出たとの見方があった。
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