NVIDIAはCES 2025で、RTX 50シリーズを発表しました。本稿では、RTX 5090 FEのDouble Flow Throughデザインや、基板の詳細などを紹介します。
NVIDIA は北米ラスベガスで開催中の CES 2025 で、「RTX Blackwell」こと「GeForce RTX 50シリーズ 」(以下、 RTX 50シリーズ )を発表した。発表の場となった基調講演では、ジェンスン・ファンCEOのプレゼンだけで約1時間半のステージを走り切り、聴衆を大いに魅了した。でお伝えした通り、CUDAコア数は2万1760基、TGP( ビデオカード の消費電力)は575W。前代未聞の異次元スペックであるにも関わらず、2スロットに収まるというデザインに衝撃を受けた人も多いはずだ。 基調講演の翌日に開放された NVIDIA の展示スペースでは、RTX 5090 FEの実物に加え、AICパートナーメーカーの ビデオカード も展示していた。簡単ではあるが筆者が興味をひかれたモノをいくつか紹介してみたい。RTX 5090 FEの Double Flow Through デザインとは? まずは RTX 50シリーズ のFEについて。RTX 30シリーズより採用された「Flow
Through(フロースルー)」デザインとは、ファンの風を表から裏側に通り抜けるように設計することで、ヒートシンクの放熱効率を最大化しようとする試みだ。Flow ThroughデザインはFEだけの専用設計ではなく、AICパートナーのビデオカードでも普通に採用されている。 今回、NVIDIAはRTX 50シリーズのFEにおいて、そのFlow Throughデザインをさらに発展させた「Double Flow Through(ダブルフロースルー)」なるデザインを採用した。RTX 30/ 40シリーズではFlow Through機構になっている場所はカード後部のファンのみだが、それをカード前部のファンにも適用したものだ。 RTX 5090 FEの場合、メイン基板はカード中央3分の1程度の空間のみであり、GPUやVRMの熱は両翼のヒートシンクに送られる。それぞれのヒートシンクがFlow Throughなので冷却効率が高い、というカラクリ。今までのデザインではカード前側のファンの風は基板に阻まれてカードの上や下、あるいはバックパネル側に押し出される。しかし、Double Flow Throughにすることでビデオカード全体がPCケース内部の空気を下から上に押し上げる装置として機能する。 ただし、TGP 575WのGPUが発する熱がすべてCPU側に押し寄せることになるため、天面ファンや背面ファンで熱気を外に逃す必要がある。とはいえ、いまどき背面ファンが1基だけみたいな窒息PCケースを使うのは非現実的であるため、一般的な自作PC環境ではあまり気にする必要ははいだろう。RTX 5090 FE(左)とその基板(右)。よく見ると、カードのヒートシンクが透けてその裏のファンがチラリと見えている RTX 5090 FEの基板。向かって左側がカード上側、右側がPCI Expressスロット側だ。みっしりと実装されたVRMやGDDR7のメモリーチップが印象的だが、PCI Expressのカードエッジがないことに気がついただろうか? つまり、RTX 50シリーズのFE基板はモジュラー構造を採用した「金のかかった設計」であることがわかるRTX 5090 FEの基板の上には、“3Dベイパーチャンバー”なるユニットが合体基板の裏側。GPUがマウントされている部分の下側に高密度コネクターが2つ見えるだろうか? ここから映像出力端子とPCI Express 5.0(Gen 5)のカードエッジに接続されるようだ。既存の基板設計では我慢できないという、NVIDIAのこだわりが感じられる。ここまで実装密度が高いと修理できるのだろうか……? RTX 5090 FEのカード後方下から撮った写真。2スロットぶんの厚みがよくわかる。また、カードエッジの近くにスリットがあることに注目。両翼のファンでカード内部の空気が動き、このスリットを通じて外に出る(中に入る?)ようだ。カードの下面がマザーボード側のヒートシンクでふさがっていても問題ないように、スリットを横断するような溝も設けられてい
NVIDIA RTX 50シリーズ Geforce RTX 50 CES 2025 Double Flow Through ビデオカード
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