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M-1史上最大のどんでん返し 週刊文春

8年連続で決勝に進み、2年目以降は毎年、本命視されながらも勝てていなかったことが、そんな「故意説」に信ぴょう性を持たせていた。M-1の決勝は、まずは出場する全9組が1本ずつ漫才をし、それに対して7人の審査員が100点満点で採点をする。そして、ベスト3に残った3組だけが最終決戦に進出し、2本目を披露する権利を得る。突き上げる笑い。激しく手を打ち鳴らす音。それらが天井、四方の壁にぶつかり、空間という空間が振動の濁流に飲み込まれた。M-1予選時の審査員を務め、またダウンタウンと親交が深いことでも知られる構成作家の倉本美津留はこう評した。笑い飯の短髪の方、哲夫が、甲高い口調で『鳥人』誕生の背景を語る。ネタの骨格を考えるのは、ほとんどの場合、哲夫だった。 「前の年(08年)、M-1にかけられるようなネタができなくて、過去のネタを引っ張り出してきた。常に前年を上回りたいという思いがあるんやけど、それができたという自信がなかった。なんで、09年は絶対上回るものを作りたかった」ある日、学校から帰ると、まな板の上に大きな包丁が出ていた。その日の晩飯のおかずは唐揚げだった。ぷりぷりとしていて、じつにおいしかった。哲夫がその感想を伝えると、祖父の口から衝撃の事実が明かされた。その唐揚げは、飼っていたニワトリを捌いたものだったのだ。包丁とニワトリが繋がった。ピン芸人日本一を決めるR-1ぐらんぷりの09年王者で、笑い飯の盟友でもある中山功太は、2人のネタづくりの特異性をこう語る。中山は、哲夫に、『鳥人』のネタができるまでのやりとりを口真似を交えつつ教えてもらったことがある。 「哲夫さんが、かわいい声で『動物系とか、どうやろ。鳥人っていうのが出てくるんやけど。もう飽きた?』と。したら、西田さんが『いや、全然。どんな感じ?』って。2人とも、自分が世界一おもしろいと思ってる人間なんです。その2人が、表面上はともかく、実際はめっちゃ気を使いながらネタづくりをしているんやと思います」「言い方がおもしろかった。『鳥人間』じゃなくて、『鳥人』という」「そうしたら、その子どもの前に『鳥人』が現れて、『鳥が好きなのかい?』って話しかけてくるという設定なんやけど」哲夫は、その「絵」を想像し、憑かれたように笑い転げた。南海キャンディーズの山里亮太も同時代、関西で笑い飯としのぎを削り合った。昔から笑い飯を知る仲間は、2人のことを「飯さん」と呼ぶ。そう呼べる人は、山里を含め、どこか誇らしげでもあった。 「飯さん伝説の一つに、あるオーディションで1分間、客席をにらみ続けて落ちたというのがあるんです。最初、それを聞いたときは、チンピラ風情が、破天荒なことやればおもしろいと思ってるんじゃねえよ、みたいに思っていたんです。でも、違った。その伝説もだいぶ脚色されてるとは思うんですけど、2人は別に変なことをやってやろうと思って、そうしたわけではない。マジで、それがおもしろいと思ってやってるんです。2人の漫才を見て、うらやましかったですね。バカなことばかり言って。哲夫さんに、なんでそんなおもしろいことできるんですかって聞いたことがあるんです。そうしたら『自分が客席にいたとして、笑えるもんやればええねん』って。それができねえんだよって思いましたけど。僕らがステージで飯さんと同じことをやったとして、考えるのは『にらみ続けるっていう変なことをすれば、おもしろいって思われるかな』なんですよ。芸人として、それはどうしようもないくらい圧倒的な差なんです」 何かをつくる際、2つの大きな基準が存在する。「客」か「自分」か。ショービジネスにおいては「客」のニーズに応えるのが最優先事項だ。だが、稀に「自分」を貫き通すことができる強者が出現する。そして、真の実力者は、やがて、客も振り向かせる。つまりは、創造者だ。芸人の世界で言えば、それがダウンタウンであり、笑い飯だった。 セットがビリビリと震えるほどの「うねり」を起こした『鳥人』は、大会委員長の島田紳助が大会史上初の「100点」を出しただけでなく、各審査員がその日の最高得点を付けた。ちなみに以降も100点を記録した組は、一組も現れていない。 笑い飯はファーストステージをぶっち切りで突破した。M-1の最終決戦は、1位通過を果たしたコンビが圧倒的に有利だ。会場がそのコンビの空気になっているし、審査員がお墨付きを与えたことで2本目は客もさらに笑いやすくなる。それを証明するように、過去8大会中、じつに6大会で、1位通過したコンビが優勝していた。.

8年連続で決勝に進み、2年目以降は毎年、本命視されながらも勝てていなかったことが、そんな「故意説」に信ぴょう性を持たせていた。M-1の決勝は、まずは出場する全9組が1本ずつ漫才をし、それに対して7人の審査員が100点満点で採点をする。そして、ベスト3に残った3組だけが最終決戦に進出し、2本目を披露する権利を得る。突き上げる笑い。激しく手を打ち鳴らす音。それらが天井、四方の壁にぶつかり、空間という空間が振動の濁流に飲み込まれた。M-1予選時の審査員を務め、またダウンタウンと親交が深いことでも知られる構成作家の倉本美津留はこう評した。笑い飯の短髪の方、哲夫が、甲高い口調で『鳥人』誕生の背景を語る。ネタの骨格を考えるのは、ほとんどの場合、哲夫だった。 「前の年(08年)、M-1にかけられるようなネタができなくて、過去のネタを引っ張り出してきた。常に前年を上回りたいという思いがあるんやけど、それができたという自信がなかった。なんで、09年は絶対上回るものを作りたかった」ある日、学校から帰ると、まな板の上に大きな包丁が出ていた。その日の晩飯のおかずは唐揚げだった。ぷりぷりとしていて、じつにおいしかった。哲夫がその感想を伝えると、祖父の口から衝撃の事実が明かされた。その唐揚げは、飼っていたニワトリを捌いたものだったのだ。包丁とニワトリが繋がった。ピン芸人日本一を決めるR-1ぐらんぷりの09年王者で、笑い飯の盟友でもある中山功太は、2人のネタづくりの特異性をこう語る。中山は、哲夫に、『鳥人』のネタができるまでのやりとりを口真似を交えつつ教えてもらったことがある。 「哲夫さんが、かわいい声で『動物系とか、どうやろ。鳥人っていうのが出てくるんやけど。もう飽きた?』と。したら、西田さんが『いや、全然。どんな感じ?』って。2人とも、自分が世界一おもしろいと思ってる人間なんです。その2人が、表面上はともかく、実際はめっちゃ気を使いながらネタづくりをしているんやと思います」「言い方がおもしろかった。『鳥人間』じゃなくて、『鳥人』という」「そうしたら、その子どもの前に『鳥人』が現れて、『鳥が好きなのかい?』って話しかけてくるという設定なんやけど」哲夫は、その「絵」を想像し、憑かれたように笑い転げた。南海キャンディーズの山里亮太も同時代、関西で笑い飯としのぎを削り合った。昔から笑い飯を知る仲間は、2人のことを「飯さん」と呼ぶ。そう呼べる人は、山里を含め、どこか誇らしげでもあった。 「飯さん伝説の一つに、あるオーディションで1分間、客席をにらみ続けて落ちたというのがあるんです。最初、それを聞いたときは、チンピラ風情が、破天荒なことやればおもしろいと思ってるんじゃねえよ、みたいに思っていたんです。でも、違った。その伝説もだいぶ脚色されてるとは思うんですけど、2人は別に変なことをやってやろうと思って、そうしたわけではない。マジで、それがおもしろいと思ってやってるんです。2人の漫才を見て、うらやましかったですね。バカなことばかり言って。哲夫さんに、なんでそんなおもしろいことできるんですかって聞いたことがあるんです。そうしたら『自分が客席にいたとして、笑えるもんやればええねん』って。それができねえんだよって思いましたけど。僕らがステージで飯さんと同じことをやったとして、考えるのは『にらみ続けるっていう変なことをすれば、おもしろいって思われるかな』なんですよ。芸人として、それはどうしようもないくらい圧倒的な差なんです」 何かをつくる際、2つの大きな基準が存在する。「客」か「自分」か。ショービジネスにおいては「客」のニーズに応えるのが最優先事項だ。だが、稀に「自分」を貫き通すことができる強者が出現する。そして、真の実力者は、やがて、客も振り向かせる。つまりは、創造者だ。芸人の世界で言えば、それがダウンタウンであり、笑い飯だった。 セットがビリビリと震えるほどの「うねり」を起こした『鳥人』は、大会委員長の島田紳助が大会史上初の「100点」を出しただけでなく、各審査員がその日の最高得点を付けた。ちなみに以降も100点を記録した組は、一組も現れていない。 笑い飯はファーストステージをぶっち切りで突破した。M-1の最終決戦は、1位通過を果たしたコンビが圧倒的に有利だ。会場がそのコンビの空気になっているし、審査員がお墨付きを与えたことで2本目は客もさらに笑いやすくなる。それを証明するように、過去8大会中、じつに6大会で、1位通過したコンビが優勝していた。

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