Microsoftが、年齢や性別、表情などを読み取る顔認識サービスの一部機能を廃止することを発表しました。これらの「人々の感情を読み取る機能」は、Microsoftの社内外で正当性やプライバシーに関する物議を醸していました。
具体的には、ユーザーがAzure Faceを使用して顔認証をする際に、この技術をどこでどのように使うかをMicrosoftに伝えなければならないようになったとのこと。ただし、画像や動画に映り込んだ顔に自動的にぼかしをかけるような、有害ではない用途は引き続きフリーアクセスのままになります。
Microsoftはさらに、Azure FaceをAI利用に関する新基準に合わせる作業の一環として、サービスから「性別・年齢・笑顔・ひげ・髪・化粧などの属性を識別する機能」を除外し、感情を認識する機能の一般公開も停止することを発表しました。 その理由について、Crampton氏は「社内外の専門家は、感情の定義に関する科学的コンセンサスの欠如や、感情の予測が個別のユースケース、地域内、人口統計にどのように一般化されるかの問題、およびこの種の機能に関するプライバシー上の懸念の高まりを指摘しています。また、顔の分析やその他のAI技術を使っているかどうかにかかわらず、人々の感情を推測すると主張されているあらゆるAIシステムを慎重に分析していく必要があると判断しました」と述べて、テクノロジーで顔認証や感情推測をすることに伴うプライバシー問題に対応するためだと説明しています。
Crampton氏が指摘したように、表情や感情を読み取るMicrosoftのAI技術は、国や人種によって表情が異なる点や、外面的な表現と内面的な感情を同一視するのは不適切である点などから専門家により厳しく非難されてきました。