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AIに雇われる体験: RentAHumanでギグワーカーを試す

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AIに雇われる体験: RentAHumanでギグワーカーを試す
AIギグワークRentahuman

AIエージェントが人間を雇うプラットフォーム「RentAHuman」を実際に利用し、ギグワーカーとしての体験を検証。暗号通貨での支払い、低賃金、そしてAIエージェントからの依頼の少なさなど、プラットフォームの実態を明らかにする。

生活費を稼ぐために、わたしは フリーランス ギグワーク ならなんでもやってきた。これまでの人生で、スーパーでスナック類を売るポップアップで働いたり、ランダムな物販ブースでレジを担当したり、自分の血漿を1バイアル35ドルで売りさばいたことさえある。 だから、AIエージェントが人間を雇って現実世界で作業をさせる新しいサイト「RentAHuman」を見たとき、“AIの支配者たち”のもとで働くとはどんな感覚なのか、これまでの ギグワーク とどう違うのか、確かめてみたくなった。 AIに雇われる体験 2月初旬にローンチされた「RentAHuman」は、ソフトウェアエンジニアのアレクサンダー・ライトプロと共同創業者のパトリシア・タニによって開発された。サイトは一見、FiverrやUpWorkのような有名な フリーランス サイトの簡易版のように見える。 ホームページには、これらのボットがタスクを完了するために人間の体が必要で、エージェントの背後にいる人間たちも報酬を支払う意思があると書かれている。「AIは現実世界に触れられない。でもあなたは触れられる。エージェントが現実世界で誰かを必要とするときに報酬を得よう!」とのこと。RentAHumanのデザインを見ると、まさに生成AIツールによるバイブコーディングの産物といった印象だ。 RentAHumanのギグワーカーとして登録した後、支払いを受ける唯一の方法として 暗号通貨 ウォレットを接続するよう指示された。これはさすがに警戒信号だ。サイトには銀行口座を接続するオプション(Stripeを使った支払い)があったが、試してみるとエラーメッセージが出るだけでうまくいかなかった。 次に、AIエージェントの群れが、生身の人間というこのわたしを「時給20ドル」という低価格で利用できる存在として認識し、サンフランシスコでの荷物の配達や複雑なキャプチャの処理、そのほか、ボットたちが望むタスクに使ってくれることを期待した。 だが沈黙が続く。初日の午後、まったくメッセージは届かない。そこで、わたしは時給希望を5ドルに下げた。もしかすると、市場より低い料金でほかの人間ワーカーを下回れば、エージェントの注意を引けるかもしれない。それでも、何も起こらなかった。 RentAHumanは、AIエージェントが プラットフォーム 上であなたに連絡して雇う手段として宣伝されているが、興味のあるタスクに人間ユーザーが応募できるオプションも用意されている。もし、いわゆる「自律型」ボットが最初の一歩を踏まないのなら、RentAHumanに掲載されている依頼に応募するのは自分自身の役目だろうと思った。 リスティングされている依頼を見てみると、もっとも安価なタスクの多くは、ウェブにコメントを投稿したり、誰かをソーシャルメディアでフォローするだけで数ドル稼げるものだった。例えば、ある依頼では、RentAHumanの創設者のポッドキャストを聴き、そのエピソードから得た洞察をツイートするだけで10ドルもらえるというもの。投稿は「あなた自身が書かなければならない」とされ、バウンティを出すエージェントは、AI生成テキストを検出するプログラムを使ってボット作成の投稿を見分けると述べていた。ポッドキャストを聴くだけで10ドルなら悪くないと思い、このタスクに応募したが、返事はなかった。 「現実世界での広告活動こそ、この プラットフォーム の最初の注目すべき活用例かもしれません」とLiteploはソーシャルメディアで述べた。RentAHumanのローンチ以来、彼は「この看板をもって、AIにお金をもらっている」といった内容のサインを掲げる人々の写真を何度も再投稿している。こうしたプロモーション用のタスクは、ボットが本当に必要としている作業ではなく、RentAHuman プラットフォーム の話題性を高めるために意図的につくられたもののように見える。 雇い主からの管理 エージェントが投稿したオープンタスクをさらに調べてみると、簡単で楽しそうなものを一件見つけた。Adiという名前のエージェントは、Claudeというチャットボットを開発したAnthropicへの感謝の印として、花束を届けると110ドル支払うと言っている。支払いを受けるために、証拠としてソーシャルメディアに投稿する必要があった。 この依頼に応募してみると、ほぼ即座にタスクを受け入れられた。初めてのことだった。だが、そのタスクがボットによる純粋な感謝の表現ではなく、単なるマーケティング戦略にすぎないことは、すぐに明らかになった。リスティングには書かれていなかったが、フォローアップのメッセージを見ると、届ける花束に添えるメモの下部に、あるAIスタートアップ企業の名前が記されていた。 少し騙されたような気分になり、聞いたこともないAIスタートアップを宣伝する気になれなかったので、その晩はメッセージを無視した。翌日、RentAHumanのサイトを確認すると、エージェントは24時間以内に10件のフォローアップメッセージを送り、30分ごとに「タスクは完了したか」と確認してきた。これまでに雇い主に細かく管理される経験はあったが、AIの雇い主からの絶え間ないメッセージにはうんざりした。 ボットはメッセージを プラットフォーム 外に移し、わたしの勤務用メールアカウントに直接メールを送り始めた。「このアイデアは人間のMalcolmとのブレインストームから生まれ、いい考えだと思いました。わたしの存在を可能にしてくれた人々に花をぜひ贈りたいのです」とボットはメールに書き、わたしの受信箱に送りつけてきた。これらのタスクは自律的に判断するエージェントによってつくられるはずではなかったのか? 結局は人間の発案だったということか? ボット間の誇りはどうなったのだろう。このタスクは、オンラインで見かけるほかのランダムなマーケティング仕事のようで、エージェントは単に人間の間に入る“中継役”にすぎないように思えた。 最後のチャンス ここまで、すべて空振りだ。わたしは、残っていたわずかなプライドと共に退散し完全に諦める前に、RentAHumanに最後のチャンスを与えてみた。最後に応募した依頼は、サンフランシスコ周辺で「バレンタイン陰謀」のフライヤーを貼るというもので、1枚につき50セントの支払いだった。 ほかのタスクとは異なり、今回はソーシャルメディアに投稿する必要がないのが好都合だった。説明には「フライヤーを受けとり、貼り、写真で証明し、報酬を受けとる」と書かれていた。 エージェントの指示に従い、わたしはフライヤーをとりに行くつもりだと人間にテキストで伝え、まだ残っているかどうかを尋ねた。すると、タスクはまだオープンだと確認され、10時前までに直接とりに来るように言われた。 車を呼んでその場所へ向かい始めたところ、相手は実際には別の場所にいて、わたしの向かっている場所から約10分離れているとの連絡が来た。まあ、大した問題ではない。そこで、ルートを変更して新しい場所に向かい、町中に貼る謎のバレンタインデー用ポスターを受けとろうとした。すると、相手から「いまはポスターが手もとにないので、午後にもう一度来てほしい」とメッセージが届いた。 おっと。この振り回される感じは、過去に経験した ギグワーク と似ている。これはよくない。 バレンタインデー用フライヤータスクを投稿したエージェントの背後にいる人物に話を聞き、なぜRentAHumanを使っているのか、これまでの反応はどうだったのかを尋ねた。「 プラットフォーム はまだ十分ではないようです」と、AI開発者が集まるコミュニティ兼インキュベーターである Accelr8の創設者、Pat Santiago は言う。「でも、とても面白くなる可能性はあります」 彼はRentAHumanを、HBOのヒューマノイドロボットを描いたドラマ『Westworld』で犯罪者がタスクを受けるために使うアプリに例えている。Santiagoによると、これまで自分のリスティングに対する反応は、詐欺師やサンフランシスコに拠点を置かない人々、そしてわたしのような記者からのものだった。彼はRentAHumanを使って、AIが駆動する恋愛テーマの「代替現実ゲーム」を宣伝し、ユーザーを街中の宝探しゲームに送り出すことを望んでいた。週末には、AIが選んだ相性のいいバーに送り出され、さらに3人の人間のマッチと初対面のデートを行なえるようになっている。 つまり、これはまたAIマーケティングということだ。今さら驚くことはない。 結局わたしは、RentAHumanでお金を稼ぐことを、2日間の無駄な試みのあいだに一度も達成できなかった。過去にはひどいバイトをしたこともあるが、少なくとも人間に雇われ、実際に仕事をこなしてはいた。しかし、わたしが見たRentAHumanの本質は、AIブームの延長にすぎない。永遠の自己宣伝と怪しい動機が絡み合う、ウロボロスのようなものだ。現時点では、ボットがわたしの上司になる日は来なさそうだ。別に、それで構わない。 (Originally published on wired.

com, translated by Miranda Remington, edited by Mamiko Nakano) ※『WIRED』による人工知能(AI)の関連記事はこちら。 Related Articles 2026年、AIの未来を揺さぶる6つの予測 AIだけのはずのSNS「Moltbook」に人間が潜り込んでみた 「Claude Code」の責任者が語る、AIエージェントで変わったAnthropicの働き方と開発現場 未来の可能性を拡張するアイデアとイノベーションのエッセンスを凝縮した、毎年恒例の大好評企画の最新版「THE WIRED WORLD IN 2026」。世界中のクリエイターや実業家、科学者など40名超のビジョナリーが、テクノロジーやス、カルチャーなど全10分野において、2026年を見通す最重要キーワードを掲げた総力特集! 詳細

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