“経営の神様”と呼ばれる稲盛和夫氏はどんな経営者だったのか。約30年間、側近を務めた大田嘉仁さんは「褒めると同時に“常に日進月歩が大切だ”と説いていた。人は褒められた瞬間に思…|BIGLOBEニュース
数年前のコロナ禍の際、コロナウイルスが日々変異を遂げていることを知り、驚いた人も多いのではないでしょうか。このようにすべてのものが日々進化を遂げている中で、自分だけが昨日と変わらない仕事をしているようであれば、それは後退を意味します。このことは当たり前のように思えますが、どうしても私たちは、何も変えないほうがいい、前例を踏襲すればいいと思いがちです。特に、一度褒められた仕事であれば、そこで満足して思考停止になることもあるように思います。 私自身、稲盛さんに「よくやってくれた」と褒められ、翌年も同じようにしたところ、「去年と同じことをしていて、生きているかいがあるか」と問われ、「お前は一年間死んでいたのか」「お前の生きている証はないのか」と詰問されて目が醒めるような思いをしたことを覚えています。しかし、単純な思考の私は、一度「よくやった」と褒めてもらうと、そこで思考が停止し、同じようにすることがベストだと勝手に思い込んでしまっていたのです。稲盛さんと一緒に、ある工場の新しい生産ラインを視察した際、稲盛さんは「素晴らしい生産ラインだ。ありがとう」と褒めたあとで、「来年来たときに同じことをやっていたら許さんぞ」と釘を刺し、「これまでにできたものに安住すると進歩は止まるぞ」と注意をしていました。また、研究開発の人に対しては、「今の技術に意固地になっていないか? それは技術者のエゴ、独善だ」と指摘し、「一つの技術から夢をどれだけ広げられるかが大事なんだ」と技術を進化させる必要性を強調していました。 間接部門の人間に対しても、日々改良改善することを常に指摘していました。たとえば、経理の人に「なぜ昔と同じ伝票を使っているのか? どのような伝票がいいのか考えたことがあるのか、それは科学だ」と助言していたこともあります。稲盛さんは、「私たち日本人は農耕民族であったため、毎年、同じ時期に同じことをしていれば、それでうまくいくと思い込んでいるところがある。これからは欧米の国々と厳しい競争をしなければならないので、日本人は『これでいいのか、これでいいのか』と常にクリエイティブに考える習慣が大事だ」と語っていました。その姿勢が現在の日本には間違いなく問われていると思うのです。この本の著者で、ピュリッツアー賞を受賞した世界的なジャーナリスト、デイビッド・ハルバースタム氏は、当時、世界第2位の経済大国にまで成長した日本を代表する企業の一つとして京セラを取り上げました。(中略)彼は自らの会社を技術の最先端に導いた。いったん成功を収めたことがらには二度と関心を示すことはない。『次にやりたいことは、わたしたちには決してできないと人から言われたものだ』と語る」その開発手法を稲盛さんは「アスファルトの道ではなく、あえてあぜ道を歩く」とたとえています。 アスファルトの道とは、既に皆が知っている安全で迷うことのない道です。多くの人がアスファルトの道を選び、自動車のような便利な乗り物を使い、決められた道路標識に従って進みます。しかし、それでは新しいものが開発できるはずはありません。しかし、稲盛さんは、「決してできないと人から言われたこと」に挑戦するためには、あえてこのような「あぜ道」を選ばなくてはならないと指摘しているのです。 ハルバースタム氏は同書の中で、豊かになった日本には、稲盛さんのようにあえて「あぜ道」を選び、「決してできないと人から言われていること」に挑戦する 経営者 がいなくなり、日本経済は衰退する可能性があると警鐘を鳴らしていました。残念ながら、現在の日本経済はその通りになりつつあります。 稲盛さんもハルバースタム氏と同様に、近年、日本では誰もが舗装された「アスファルトの道」を歩きたいと願い、その結果、新しいものが生まれなくなっているのではないかと危機感を募らせて、「不可能と思えるようなことに挑戦する気概を、また、あえて『あぜ道』を選ぶ勇気を失わないでほしい」と繰り返し語っていました。その「あぜ道」をあえて選ぶ際の心構えとして、稲盛さんは「人生はもっと価値があるはずだ。チャレンジは怖くない。うまくいかなくても謙虚に耳を澄ませば、正しいやり方が聞こえてくる。また、「クリエイティブなことを成功させようとしても、どうすれば成功できるかを前もって検証できるわけではない。そこで不安感を払拭し、ぎりぎりの集中力で努力を続ける。苦しみもがくことによって、神の啓示とも言えるひらめきが得られる。この「ひらめき」については、別の場面でも、「ひらめきを得る人は多いが、それを実践できる人は少ない」とも指摘し、アイデアを思いついただけでは意味がなく、それを結実させるためには「万全の準備が必要となる」とも指摘しています。 同じような趣旨で、「できるからやるんじゃない、可能性があるからやるんじゃない。どうしてもやりたいからやるんだ」とも話しています。心の底から、それをどうしても実現したいという“思い”こそがすべての原動力になるというのです。 そのとき必要なものが自由な精神・発想だと語り、「真のイノベーションを起こそうと思えば、何にも頼らない無頼性が不可欠になる」「頼らないということが、心を自由にする」とも教えています。それを私たち日本人は失いつつあるように、私は感じています。.
数年前のコロナ禍の際、コロナウイルスが日々変異を遂げていることを知り、驚いた人も多いのではないでしょうか。このようにすべてのものが日々進化を遂げている中で、自分だけが昨日と変わらない仕事をしているようであれば、それは後退を意味します。このことは当たり前のように思えますが、どうしても私たちは、何も変えないほうがいい、前例を踏襲すればいいと思いがちです。特に、一度褒められた仕事であれば、そこで満足して思考停止になることもあるように思います。 私自身、稲盛さんに「よくやってくれた」と褒められ、翌年も同じようにしたところ、「去年と同じことをしていて、生きているかいがあるか」と問われ、「お前は一年間死んでいたのか」「お前の生きている証はないのか」と詰問されて目が醒めるような思いをしたことを覚えています。しかし、単純な思考の私は、一度「よくやった」と褒めてもらうと、そこで思考が停止し、同じようにすることがベストだと勝手に思い込んでしまっていたのです。稲盛さんと一緒に、ある工場の新しい生産ラインを視察した際、稲盛さんは「素晴らしい生産ラインだ。ありがとう」と褒めたあとで、「来年来たときに同じことをやっていたら許さんぞ」と釘を刺し、「これまでにできたものに安住すると進歩は止まるぞ」と注意をしていました。また、研究開発の人に対しては、「今の技術に意固地になっていないか? それは技術者のエゴ、独善だ」と指摘し、「一つの技術から夢をどれだけ広げられるかが大事なんだ」と技術を進化させる必要性を強調していました。 間接部門の人間に対しても、日々改良改善することを常に指摘していました。たとえば、経理の人に「なぜ昔と同じ伝票を使っているのか? どのような伝票がいいのか考えたことがあるのか、それは科学だ」と助言していたこともあります。稲盛さんは、「私たち日本人は農耕民族であったため、毎年、同じ時期に同じことをしていれば、それでうまくいくと思い込んでいるところがある。これからは欧米の国々と厳しい競争をしなければならないので、日本人は『これでいいのか、これでいいのか』と常にクリエイティブに考える習慣が大事だ」と語っていました。その姿勢が現在の日本には間違いなく問われていると思うのです。この本の著者で、ピュリッツアー賞を受賞した世界的なジャーナリスト、デイビッド・ハルバースタム氏は、当時、世界第2位の経済大国にまで成長した日本を代表する企業の一つとして京セラを取り上げました。(中略)彼は自らの会社を技術の最先端に導いた。いったん成功を収めたことがらには二度と関心を示すことはない。『次にやりたいことは、わたしたちには決してできないと人から言われたものだ』と語る」その開発手法を稲盛さんは「アスファルトの道ではなく、あえてあぜ道を歩く」とたとえています。 アスファルトの道とは、既に皆が知っている安全で迷うことのない道です。多くの人がアスファルトの道を選び、自動車のような便利な乗り物を使い、決められた道路標識に従って進みます。しかし、それでは新しいものが開発できるはずはありません。しかし、稲盛さんは、「決してできないと人から言われたこと」に挑戦するためには、あえてこのような「あぜ道」を選ばなくてはならないと指摘しているのです。 ハルバースタム氏は同書の中で、豊かになった日本には、稲盛さんのようにあえて「あぜ道」を選び、「決してできないと人から言われていること」に挑戦する経営者がいなくなり、日本経済は衰退する可能性があると警鐘を鳴らしていました。残念ながら、現在の日本経済はその通りになりつつあります。 稲盛さんもハルバースタム氏と同様に、近年、日本では誰もが舗装された「アスファルトの道」を歩きたいと願い、その結果、新しいものが生まれなくなっているのではないかと危機感を募らせて、「不可能と思えるようなことに挑戦する気概を、また、あえて『あぜ道』を選ぶ勇気を失わないでほしい」と繰り返し語っていました。その「あぜ道」をあえて選ぶ際の心構えとして、稲盛さんは「人生はもっと価値があるはずだ。チャレンジは怖くない。うまくいかなくても謙虚に耳を澄ませば、正しいやり方が聞こえてくる。また、「クリエイティブなことを成功させようとしても、どうすれば成功できるかを前もって検証できるわけではない。そこで不安感を払拭し、ぎりぎりの集中力で努力を続ける。苦しみもがくことによって、神の啓示とも言えるひらめきが得られる。この「ひらめき」については、別の場面でも、「ひらめきを得る人は多いが、それを実践できる人は少ない」とも指摘し、アイデアを思いついただけでは意味がなく、それを結実させるためには「万全の準備が必要となる」とも指摘しています。 同じような趣旨で、「できるからやるんじゃない、可能性があるからやるんじゃない。どうしてもやりたいからやるんだ」とも話しています。心の底から、それをどうしても実現したいという“思い”こそがすべての原動力になるというのです。 そのとき必要なものが自由な精神・発想だと語り、「真のイノベーションを起こそうと思えば、何にも頼らない無頼性が不可欠になる」「頼らないということが、心を自由にする」とも教えています。それを私たち日本人は失いつつあるように、私は感じています。
日本 最新ニュース, 日本 見出し
Similar News:他のニュース ソースから収集した、これに似たニュース記事を読むこともできます。
GLAY・TERU「継続すること」を模索し続けた30年、「声の劣化は、“人生の色合い”」(2024年10月15日)|BIGLOBEニュース今年30周年を迎え、先日LUNASEAとの対バン発表でも話題になったGLAY。同バンドのフロントマン、ボーカリストとして常に模索し続けてきたTERU(53)は、かねてより"継…|BIGLOBEニュース
続きを読む »
INI、オリコンデイリーシングルランキング1位に大感激 松田迅は「めちゃくちゃ愛されてるな」とファンに感謝(2024年10月30日)|BIGLOBEニュース11人組グローバルボーイズグループ・INIが30日、都内で開かれた7thシングルの発売を記念したリリースイベント「INI7THSINGLE"THEVIEW"PREMIUMSH…|BIGLOBEニュース
続きを読む »
ずっとスーパーの言いなりだった…1日600個売れる"豆腐のパフェ"を生み出した「田舎の小さな豆腐店」の逆転劇(2024年11月2日)|BIGLOBEニュース佐賀の豆腐店「佐嘉平川屋」は1日600個の“豆腐のパフェ”を売る人気店だ。3代目社長・平川大計さんは、キャリア官僚の仕事を辞め、倒産寸前だった家業を継いだ。町の小さな豆腐店は…|BIGLOBEニュース
続きを読む »
夫の"AIとのチャットセックス"は裏切りなのか…社会学者・山田昌弘「愛が多様化する時代の"準"浮気最前線」(2024年11月3日)|BIGLOBEニュース生成AIの存在が日常化するなかで、「AIチャットとの浮気」が生まれている。それは「不貞行為」なのか。社会学者の山田昌弘さんは「AI浮気は法に触れずとも、『夫婦の距離』を変える…|BIGLOBEニュース
続きを読む »
「養育費を払わない元夫は"真犯人"ではない」手取り月収20万に届かないシングル母の極貧を招く"本当のワル者"(2024年11月4日)|BIGLOBEニュース日本社会は、なぜ「困っている人」が困っていると言えないのだろうか。1日中働きづめでも、手取りが20万円にも届かず生活困窮するシングルマザーが半数を超えている。オーストラリア人…|BIGLOBEニュース
続きを読む »
"またトラ"最大の懸念は「日本人の命」…動き読めぬトランプの"さじ加減"で日本が紛争に巻き込まれる恐怖(2024年11月12日)|BIGLOBEニュース米大統領に返り咲くことが決まったドナルド・トランプ氏。新政権の政策で日本はどんな影響を受けるのか。経営コンサルタントの小宮一慶さんは「経済面では米中摩擦により中国依存度の高い…|BIGLOBEニュース
続きを読む »




