米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）が３月19－20日に開いた会合では、ランオフ（償還に伴う保有証券減少）について、ペースをおよそ半分に落とすことを全般に支持した。４月10日に公表された議事要旨で明らかになった。
The Marriner S. Eccles Federal Reserve building in Washington, DC, US, on Thursday, Dec. 28, 2023. The market's reaction to the Federal Reserve's pivot toward interest-rate cuts this month has boosted expectations that would-be public companies may accelerate their IPO timelines.
議事要旨によると、ＦＯＭＣの政策決定当局者の「ほぼ全員」が年内のいずれかの時点で借り入れコストを引き下げ始めるのが適切になると判断していた。しかし、それ以降に発表された各インフレ指標は、年内３回の利下げ期待を覆すものとなっている。 量的引き締め（ＱＴ）として知られる膨大なバランスシート縮小プロセスを減速させる計画については、議論を始めたが何も決定はされなかった。 ほとんどの当局者はこのプロセスが順調に進んでいると判断したが、ポートフォリオの縮小を試みた前回2019年の市場混乱を考えると、さらなる縮小には慎重なアプローチをとることが適切であると「おおむね判断」した。 米金融当局はＱＴの中で国債と住宅ローン担保証券（ＭＢＳ）の保有残高を毎月950億ドル（約14兆5000億円）のペースで減らしてきた。パウエル連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）議長は３月20日の記者会見で、「円滑な移行を確保し、短期金融市場がストレスを受ける可能性を減らす」ため、かなり早期にペースを落とすことを検討していると述べていた。 流動性を確保し、過去にあったような金融市場の混乱を回避するために、どの程度の銀行準備高が適切なのかについて、ウォール街は注目している。金融機関が当局に預けている現金は３兆5000億ドル近くに上る。これは、政策当局者が「潤沢」と定義する水準であり、パウエル議長が先月の会合後の記者会見で、それよりも「少し少ない」と定義した「十分」な水準を当局は目指している。...
３月のＦＯＭＣ会合で示された当局者の予測では、僅差ながら過半数が2024年に少なくとも３回の利下げを見込んでいたが、この日発表の消費者物価指数（ＣＰＩ）統計を受けて、６月の利下げ開始観測が弱まり、年内の利下げ幅は縮小する方向となった。
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